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ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.156

ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.156
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■■    ダントツの発明力と知財力を目指せ!
■ ~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.156

配信数:約7100 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■目次

・今週の一冊~「歴史の哲学―そこから未来を見る」P・F・ドラッカー

・「発明塾式」発明法(1)~発明の4類型と「課題‐解決」型 発明

・セミナー情報
 弊社主催「知的財産セミナー~ダントツの発明力と知財力」第9回を
 開催します! 詳細はこちら ⇒ http://goo.gl/fkh57V
 
・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(20)
                ~海外の拠点や研究機関との連携

・本日の一言

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★「ダントツの発明力と知財力」のために~TechnoProducerの知財教育を!
 ご利用者の声~ http://www.techno-producer.com/voice/


本メールマガジンは、技術者の方々、知財担当者、人材育成/教育担当者の方々に、
ちょっとしたお役立ち情報を、お届けいたします。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。


お知り合い、知財部門・技術部門の方々、企画部門・人事教育部門の方々に、
ぜひご紹介ください!


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●今週の一冊
「歴史の哲学―そこから未来を見る」P・F・ドラッカー


「継続性を維持する唯一の方法は、その”組織構造”に体系的かつ組織的な
イノベーションのシステムを、組み込むことである」


その著書で度々、

「過去を養い、未来を飢えさせる」ものを、「体系的に廃棄」すること

を提案しているドラッカー。


廃棄と革新は、裏と表です。廃棄しなければ、新たなことを行うための
資源は、確保できません。



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★★「発明塾式」発明法(1)~発明の4類型と「課題‐解決」型 発明

いよいよ今回から「紙上講義」を始めます!既に卒業、修了した方にとっては、
懐かしい内容かもしれませんね。一方で、現在まさに、弊社知財教育、発明塾や
「e発明塾」受講中の方々にとっては、タイムリーな内容になるでしょう。

さて、初回は 2012年4月8日 のメモから内容を抜粋して、紹介します。
ちょうど「発明塾京都 第80回」での講義内容です。

・発明塾京都 第80回開催報告
http://bit.ly/X23xkm


メモを振り返ると、「食品包装」に関する発明討議を行っています。

・保温性、保存性の高い包装容器
・保存期限や賞味期限を知らせる包装容器

の討議を、数か月にわたって実施し、アイデアの創出~特許出願を行っています。


今回は、討議録の中から「発明に、どういう観点から取り組むのか」に関する
講義内容を、当時のメモを振り返りながら、紹介しましょう。


<バックナンバーのため、途中割愛します。ご購読お申込みください>


次回は、実際の食品包装に関する先行特許文献を「課題‐解決」で分析し、
どのように着想を得るのか、当時の討議メモを振り返りつつ、学びましょう。




/////7月以降の 技術者向け 「発明・知財」セミナー情報/////////


★(大阪)弊社講師セミナー(大阪発明協会と共催)

・8月21日(木) 「技術に携わる人のためのケースに学ぶ契約入門
               ~共同研究でモメないための基礎知識~」(五丁)

事例に基づいた演習を繰り返すことで、共同研究、業務委託やサンプル取得に関する
トラブルを予測/回避し、研究開発における対外的なやり取りを、自信を持って推進
できるようになります!

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1lE1Ait



★(通信講座)e発明塾「儲かる発明を確実に権利化する!強い特許コース」

発明塾のノウハウを、繰り返し「じっくりと」学んでいただける通信講座を
開講します。


・受講期間:8月26日(火)~9月22日(月)  
 
お申込み締切は8月15日(金)となっております。


本講座を見ながら、ご自身の発明について、提案書を書いてみましょう。
権利化が容易で、迂回不可能な特許となる発明提案書が、自然に出来上がります。

発明塾式発明ノウハウが詰まったWebテキストを見て、配布される冊子の問題に
一つ一つ、解答してください。

それだけで、

「事業に役立つ強い特許」創出のための「発明マニュアル」

が完成します!

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1s2DvaX


「e発明塾」で、「勝てるアイデア」創出の基礎を、学びましょう!

「e発明塾」の全講座スケジュールをご要望の方は、その旨明記の上、本メールに
返信くださいませ。




////////7月以降の 知財関係者向け セミナー情報////////////


★(東京)一般財団法人知的財産研究所 平成26年度招へい研究者 研究成果報告会
     ”An Empirical Study of Pharmaceutical Patent Harmonization”
     『医薬品特許クレーム調和の実証研究』

医薬発明特許のクレーム比較を通じた、各国制度のハーモナイゼーションについて
の研究成果が発表されます。

・日 時: 8月7日(木)15:00-17:00 (14:30受付開始)
・会 場: 一般財団法人知的財産研究所 5階会議室
      千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階
      
詳細は、以下参照ください
http://www.iip.or.jp/seminar/140807.html



★★(東京)『知財人材育成の実際 ~企業が望む知財人材と、人材の育成法~』
(第9回 知的財産セミナー ~ダントツの発明力と知財力~)
 開催のご案内! http://goo.gl/fkh57V


定例となりました、弊社主催「知的財産セミナー」ですが、
第9回は、ズバリ「知財人材育成」です。


・テーマ: 知財人材育成の実際 ~企業が望む知財人材と、人材の育成法~

・日 程: 8月29日(金) 14:30~

・講演者: 菅田 正夫(すがた まさお)様
      知財コンサルタント&アナリスト


詳細は、以下参照ください
http://goo.gl/fkh57V



★(東京)「知財ネゴシエーター育成講座」

本研修では、知財ネゴシエーション経験が豊富な2名の講師をお迎えし、
「交渉企画力」と「交渉術」を、基礎から習得します。

実践的な模擬交渉を通じ、

「知財ネゴシエーションをリードできる”プロフェッショナル”の育成」

に取り組みます。

・日 程: 9月17日(水) 10:00~17:30
・場 所: 新橋駅前プラス(東京都港区新橋1-17-1 YUKEN新橋ビル4階)
・講 師: 二又俊文(東京大学 元シズベルジャパン 元松下通信工業)
      木村晋朗(弁理士 インフォート国際特許事務所、
           元半導体エネルギー研究所、元シズベルジャパン)

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1tAr89f




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★★「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(20)~海外の拠点や研究機関との連携

前回(19)では、「アライアンスにおける知財の取り扱い」について、

(1)「特許の共有だけでは平等にはならず、契約で上手く実施や非係争について
    取り決める必要がある」
(2)「素材メーカーと部品メーカー、部品メーカーとセット・メーカー、あるいは
これら三者における共同研究開発を考える際に、重要なポイント」

ことを、「プリンタ・メーカーとモーター・メーカー」の事例で、学んだ。

・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(19)~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.153
 http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-166.html

今回は、海外の拠点や研究機関との連携について、注意すべき点を取り上げる。


本書に指摘のある通り、

「研究開発を行う場所は日本国内だけとは限らない」P96

海外に研究所を設けている場合、次章で詳しく取り上げる「大学との連携」で
海外の大学で研究開発を行う場合、現地法人で現地に適した商品開発を行う場合など、
日本以外で研究、開発を行う事例は、ますます増える。


その際の注意点は、

「成果の扱いはその国の法律や制度に従う」P97

ことである。

本書では、アメリカの例を取り上げ、

「アメリカに研究所を置き、そこで成果が出たとする。ところが、その成果は許可を
 得ないと日本に持ってくることができない」P97

「さらに特許の出願に関しても、第一国出願はアメリカでなければならず、これに
 反するとアメリカの特許法に違反することになる」P97

ため、留意が必要であるとしている。

「安全保障的な考えが下地にあるため、発明がなされた国を第一出願としなければ
 ならないとする国は、アメリカ以外にも多くある。なお、中国は届け出て不許可の
 通知がなければよいと緩和されている」P97

海外拠点との付き合いに関しては、技術開発はもちろん、発明に関するやりとり/
意見交換レベルでも、十分な注意が必要となる。この点は弊社も、種々の手続きで
大変苦労した経験がある。


日本へ持ち帰った技術についても、

「たとえ許可が得られて共同開発の成果を日本に持ち帰れたとしても、まだ問題は残る。
 アメリカの企業と共同開発した技術を日本から出そうとする場合にも、アメリカの
 輸出管理法の制約を受けるのである」P97

のように、その後も制約を受ける。技術開発のリーダー、責任者の方々は、海外との
やり取りに際して、十分注意していただきたい。


紙幅の都合と思われるが、本書ではアメリカの事例が中心となっている。他、諸外国に
おける共同研究や特許関連の取り決めについて、例えば以下のような資料がある。

・「知的財産権関連共同研究の留意点に関する調査」報告書(JETRO)
http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/pdf/report_2011-05.pdf

・「国際共同研究における共同発明者・発明地の認定等に関する調査研究報告書」
(財団法人 知的財産研究所)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken/1906kokusaikyoudou_honpen.pdf


特に、これからますます問題になるのは、中国及びアジア諸国であろう。弊社では、
中国の大手総合知財サービス企業である「漢之光華グループ」(駐日代表:弊社 五丁)と
常に情報交換し、最新の情報を入手している。

情報が必要な方、ご相談事項等は、是非お問い合わせ下さい。


次回は「産学連携」である。これも、知的財産に関して、常にさまざまな問題が生じる
活動である。



※注1)図、ページ数等は、第1刷に基づきます。
※注2)本連載は、弊社独自の解釈に基づくものです。



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★【定期開催中】『知財塾』

弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行っております。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 info@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti



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★「ダントツの知財力と発明力」を目指す企業知財部門の皆様へ

日々、徹底した知財活動を実践できる 技術者/知財スタッフ・リエゾン/リーダーの育成を、
弊社と共に始めませんか?

弊社の教育プログラムから、戦略的知財活動を支える、「知財のわかる」技術者が続々と誕生し、
現場で活躍しています。


「実績豊富な講師陣」と「作りこまれた教材」で、御社の知財活動の推進をサポートします!

「講師の紹介」は、こちら → http://bit.ly/1hGJJFB 
「お客様の声」は、こちら → http://bit.ly/PJyPIn


その他、各種ご相談、教育カリキュラム、教育内容、教材に関するお問い合わせも、
info@techno-producer.com まで!


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

・コラム「ビジネスと知財」 
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「良きパートナーを作り、プロジェクトチームを作るなど、横の連絡を付けてやる」
西堀栄三郎~よき研究指導者の条件とは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼周りの方に、ご紹介ください
▼無断転載を禁じます
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで
▼HP http://www.techno-producer.com/
▼バックナンバー http://bit.ly/14pZyvz
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TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.155

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.155
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■■    TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.155


配信数:約6800 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■7月以降の関連イベント

●今回のトピック

・第09回 知的財産セミナー ~ダントツの発明力と知財力~
 開催のご案内  http://goo.gl/fkh57V
 ※お早目にお申し込みください。

・本メルマガ「リニューアル」のお知らせ!!!~発刊6周年を迎えて

・【発明塾】活動ご報告


★「ダントツの発明力と知財力」のために~TechnoProducerの知財教育を!
 ご利用者の声~ http://www.techno-producer.com/voice/

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●今週の一冊
「メガトレンド」ジョン・ネイスビッツ

1982年に出版された本書。今でも古さを感じさせない、まさに未来予測の
「お手本」。

本書では、主に1970年代の世界と米国の各種統計データを駆使しながら、
「未来」、我々からすると「現在」を予測している。


「1970年代に現れた2000万の労働者のうち、製造業に携わったのは、5%に
過ぎない」

「労働人口は、1970年から78年にかけて、18%の伸びを示したが、銀行員は
83%、システムアナリストは84%、健康管理者に至っては118%という驚異的
な伸び」

のように、数字をベースにした客観的な分析と、それを踏まえた未来予測を
行っているのが、本書の特徴である。


例えば彼は、上記のようデータを踏まえ、

①IT社会の到来
②オフィスワークの増大
③IT環境の整備でオフィス勤務が不要になり、自宅勤務が主流になる
④むしろ、人に会うため「だけ」に、オフィスに集まる

のような「ハイテク・ハイタッチ」社会の到来を、30年以上前に予測している。


この予測は、例えば JR東海 元社長 松本氏が、

「少子高齢化、IT化の進展に伴い、長距離輸送のニーズは減るのでは?」

との質問に対して、

「IT化の進展に伴い、むしろ人は”より会いたくなる”のでは、ないでしょうか」

と発言していたことと重ね合わせると、非常に興味深い予測である。


企画や製品開発を担当されている方には、本書の予測内容そのものはもちろん、
その分析手法、数字を用いた「仮説導出/証明」のロジックが、とても参考に
なるでしょう。

いずれにせよ一読の価値有りの古典/名著。



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本メールマガジンは、技術者の方々、知財担当者、人材育成/教育担当者の方々に、
ちょっとしたお役立ち情報を、お届けいたします。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

・コラム「ビジネスと知財」
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php


お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
ぜひご転送、ご紹介ください!

お願いします!!!



★★★★★★★★ 【定期開催中】『知財塾』 ★★★★★★★★★★★★★


弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行っております。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 info@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti




/////////7月以降の知財セミナー情報///////////////


★(広島)弊社講師セミナー(広島県発明協会と共催)

・7月24日(木)「実験結果から特許となる”発明”を抽出するスキル」(秋好)

弊社オリジナルの「アイデアシート」を作成いただきながら、発明の本質を捉え、
発明提案書に表現するスキルを身に付けて頂きます。

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1pDDU50


★(大阪)弊社講師セミナー(大阪発明協会と共催)

・8月21日(木) 「技術に携わる人のためのケースに学ぶ契約入門
               ~共同研究でモメないための基礎知識~」(五丁)

事例に基づいた演習を繰り返すことで、共同研究、業務委託やサンプル取得に関する
トラブルを予測/回避し、研究開発における対外的なやり取りを、自信を持って推進
できるようになります!

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1lE1Ait



★(東京)一般財団法人知的財産研究所 平成26年度招へい研究者 研究成果報告会
     ”An Empirical Study of Pharmaceutical Patent Harmonization”
     『医薬品特許クレーム調和の実証研究』

医薬発明特許のクレーム比較を通じた、各国制度のハーモナイゼーションについて
の研究成果が発表されます。

・日 時: 8月7日(木)15:00-17:00 (14:30受付開始)
・会 場: 一般財団法人知的財産研究所 5階会議室 (地図)
      千代田区神田錦町三丁目11番地 精興竹橋共同ビル5階

詳細は、以下参照ください
http://www.iip.or.jp/seminar/140807.html



★(東京)ビジネス・ガバメント・リレーションズ・セミナー
    「最新!成長戦略 経営戦略におけるルールメイクの重要性」

弊社の共同研究先である「慶応義塾大学ビジネススクール」の主催で、題記セミナーが
開催されます。「国際標準化と事業戦略」(小川)にある通り、自らに有利な「ルール」
を策定することで、競合企業のと戦いを有利に進めていく視点が、これからの事業企画
担当者には、必要とされます。

・日 時: 7月29日(火) 19:00~21:00 (開場18:30予定)
・会 場: (株)ベクトル ラウンジ
      港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ18F

詳細は、以下参照ください
https://vector.smartseminar.jp/public/seminar/view/52




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★★『知財人材育成の実際 ~企業が望む知財人材と、人材の育成法~』
(第9回 知的財産セミナー ~ダントツの発明力と知財力~)
 開催のご案内! http://goo.gl/fkh57V


定例となりました、弊社主催「知的財産セミナー」ですが、
第9回は、ズバリ「知財人材育成」です。


・テーマ: 知財人材育成の実際 ~企業が望む知財人材と、人材の育成法~

・日 程: 8月29日(金) 14:30~

・講演者: 菅田 正夫(すがた まさお)様
      知財コンサルタント&アナリスト


詳細は、以下参照ください
http://goo.gl/fkh57V



★★★ 本メルマガは「次号から名称を変更」し「リニューアル」します ★★★

いつもご愛読ありがとうございます。本メルマガは、皆様のご支援のお蔭様を持ち
まして、この8月で創刊6周年を迎えます。

・「TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.000 創刊準備号」
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-date-200808.html

創刊当時は、非常に短く、シンプルなものでした。


はじまりは、セミナー受講者の方々から頂いた

「ちょっとした質問」「知財に関する疑問」

にお答えする場を作れないか、と思ったことでした。


その後も、訪問面談やセミナーを通じて、知財部門や企画部門の皆様から、

「知財戦略について、わかりやすく説明してほしい」
「おすすめの本があれば、紹介して欲しい」

のようなご要望を頂くことも増え、現在は、丸島先生の「知的財産戦略」、
小川先生の「国際標準化と事業戦略」の解説も交え、隔週発刊で155号を
数えることとなりました。


書籍紹介も、複数読者の方からの、

「紹介されている本は、ほとんど購入しています」

というご感想を踏まえ、より厳選した内容にすべく、読書録を振り返り、
蔵書を再確認し、掲載予定を組んでおります。


このように、本メルマガは「皆様のお声」で成り立っております。
弊社営業担当者、セミナー担当講師、あるいは、本アドレスに返信で、

「このような情報を載せて欲しい」
「掲載情報を、このように活用している」

といったご要望、ご感想を、引き続きお寄せください。


例えばこれまでも、

「いつも、セミナー情報が厳選されていて、とてもありがたい」
「末尾の、丸島先生の本、小川先生の本の解説は、必ず読みます」

のようなお声に基づき、毎号の内容を少しずつ調整してきました。


今回のリニューアルも、皆様からのご要望にお応えするためです。

以下、後ほど紹介させていただく通り、弊社「発明塾」は、7月現在で
公式開催回数 約270回を数え、関連して多くのお問い合わせを、
いただいております。

・「発明塾」公式Blog
http://edison-univ.blogspot.jp/


特に多いのは、企業の知財部/技術者の方から、

「参加したいのですが、可能でしょうか?」

という、お問い合わせです。これまでに、数百件のお問い合わせがありました。


発明塾は、設立以来

「世界規模の社会的課題や最先端の科学技術分野について、将来を見越した発明を
行い、企業に提案し、権利化と実用化を目指す」

”実践の場”として、学生のみを対象に行っております。

理由は、お察しの通り「利益相反(コンフリクト)」と「秘密情報の管理」です。
皆様にご迷惑をおかけしないためにも、企業の方々の参加を、制限しております。

このような運営方針のため、残念ながら、多くの社会人の方には、見学いただく
こともできず、

「実際にどのような活動を行っているのか、知りたい」
「指導内容、発明法、発想法について、具体的に知りたい」

というご質問、ご要望が、ますます多くなっております。


一方で、「発明と知財創出の場」「技術と知財のわかるコア人材育成の場」
として、企業内で「発明塾」を開催いただける事例も、増えて参りました。

この4年間の経験と実績から、「発明塾」の指導内容、実践している発明と
知財の創出手法が、皆様の日々の知財活動、発明活動に十分役立つものに
なったと、確信しております。


こういった経緯から、今後、本メルマガは「メルマガ」ではなく、

「発明塾紙上講義」※

として、より多くの

「塾生(学生塾生のみならず、”企業内”塾生も含む)」
「弊社知財セミナー受講者」「弊社知財eラーニング受講者」
「これから弊社の知財教育サービスで学ばれる予定の方々」

に、お届けいたします。
もちろん、知財部の方々に役立てて頂ける内容は、これまで通り継続いたします。


名称変更、リニューアルに関してご理解いただき、今後もご愛読、および社内の
皆様へのご案内とご紹介を、引き続きよろしくお願い申し上げます。



※正式名称は、

「ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer『発明塾』講義 Vol.xx」

とし、号数は引き継ぎます。





★★★★★★★★★ 【発明塾】活動ご報告 ★★★★★★★★★★★★★

皆様のご支援のお蔭様を持ちまして、学生向けに毎週継続的に開催しております
「発明塾」は本年で5年目、公式開催回数にして270回(東京で約80回、
京都で約190回)を数えることとなりました。

毎回3時間半の討議に加え、各自の自主的な発明活動、先行技術調査、特許分析
を通じ、多くの発明/特許と人材を輩出することが出来ました。

「実際の企業のニーズ」に応じた、発明/権利の創出過程で、多くの学生が
「実践の重要性」、「発明活動/知財活動の本質」を、学んでいます。


発明塾で創出した発明については、出願・権利化はもちろんのこと、世界中から
ライセンスに関するお問い合わせも頂いており、今後も「学生の学びの場、
実践の場」として、発明塾を継続、発展させていく予定です。


人材に関しては、コンサルティング業界、化学、精密機器、医療機器業界等の
幅広い業界で、卒業生が技術、知財、経営の仕事に携わっています。

また、すでにご報告の通り、京都大学への寄付活動も毎年継続させて頂いて
いる他、支援企業様からの発明報奨金で、学費を賄うことが出来た学生も、
おります。

改めまして、皆様のご支援とご指導に、深く感謝いたします。


発明塾の活動を続ける中で、手書きメモだけでも、2000ページを超える
「発明と知財を創出する技法」と「その指導法」に関する資料が残されており、
日々増えています。

そしてその数倍の量の討議記録、発明提案書、特許分析データ、アイデアリストが、
電子ファイルとして、保管されています。

まずは、この膨大な「知のデータベース」の一部を、今後「紙上講義」として、
皆様に提供して行きます。


「ダントツの発明力と知財力」を目指す、技術者、企画担当、知財担当の方々に、
ぜひ引き続きご愛読、ご紹介いただき、成果につなげて頂きたい。



以下、近況のご報告です。


●「発明塾」開催報告抜粋

・発明塾京都第186回開催報告~「数百件の特許の壁を越えたアイデア」が無事採択されました!
http://edison-univ.blogspot.jp/2014/06/186.html

「キヤノン特許部隊」(丸島)さながらの議論の末に、創出された発明は・・・


・京都大学「起業と事業創造」(2014年度)_知財戦略_講義報告
http://edison-univ.blogspot.jp/2014/07/2014.html

「知的財産権」に興味を持つ学生が増えていることを、実感しました・・・


・発明塾京都第188回開催報告~「なぜ皆、発明が出来るようになるのか」
http://edison-univ.blogspot.jp/2014/07/188.html

塾生さんの興味は、「知の創出を制御する方法(ファシリテーション)」に
移りつつあるようです・・・


・発明塾京都第189回開催報告~「今年の夏休みも、発明コンテストです!」
http://edison-univ.blogspot.jp/2014/07/189.html

この夏も、恒例のアイデアコンテスト、合宿と・・・・



※「発明塾」は、弊社の登録商標です。
http://www.techno-producer.com/case/invention.html




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★「ダントツの知財力と発明力」を目指す企業知財部門の皆様へ

日々、徹底した知財活動を実践できる 技術者/知財スタッフ・リエゾン/リーダーの育成を、
弊社と共に始めませんか?

弊社の教育プログラムから、戦略的知財活動を支える、「知財のわかる」技術者が続々と誕生し、
現場で活躍しています。


「実績豊富な講師陣」と「作りこまれた教材」で、御社の知財活動の推進をサポートします!

「講師の紹介」は、こちら → http://bit.ly/1hGJJFB
「お客様の声」は、こちら → http://bit.ly/PJyPIn


その他、各種ご相談、教育カリキュラム、教育内容、教材に関するお問い合わせも、遠慮なく
info@techno-producer.com まで!


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「厳しい要求を突きつけ、Yes/Noをはっきり言う」J.ウェルチ

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▼周りの方に、ぜひご紹介ください!
▼バックナンバー http://bit.ly/14pZyvz (内容は抜粋となっておりますので、ご注意ください)
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで
▼HP http://www.techno-producer.com/
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TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.150

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.150
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■■    TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.150


配信数:約6700 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■5月以降の関連イベント

●今回のトピック
・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(17)


★「発明塾」とは? http://bit.ly/11G9VJH
「発明塾」は、弊社の登録商標です。

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●今週の一冊
「人間を考える―新しい人間観の提唱・真の人間道を求めて」松下幸之助

松下幸之助 氏に関連する著作は、これまでも何度か取り上げていますが、
こちらも、ぜひ読んでいただきたい本。


①現状をありのままに受け入れ(是認する)、容認せず対処する

②衆知をあつめる。ただ人を集めて意見を出すのではなく、個々の利害に
とらわれず、より善き道を見出そうとする

③自由と秩序と生成発展


「容認」ではなく、「是認」し対処する

肝に銘じたい。


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本メールマガジンは、技術者の方々、知財担当者、人材育成/教育担当者の方々に、
ちょっとしたお役立ち情報を、お届けいたします。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

★コラム「ビジネスと知財」 http://bit.ly/14Qz60f


お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
ぜひご転送、ご紹介ください!

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弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
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より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行います。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 IP-seminar@techno-producer.com


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/////////5月以降の知財セミナー情報///////////////


★(大阪)(広島)弊社講師セミナー(大阪発明協会、広島発明協会と各共催)

・【大阪】5月21日「実験結果から特許とな る「発明」を抽出するスキル」
                ~「発明把握」と「アイデアシート作成」~(秋好)

 自らの実験結果を、特許になる発明にとらえ直すスキルを伝授します!

(1)こんなことでお困りではありませんか?
 ① 技術者自身が発明したことに気付かず、せっかくの発明が埋没してしまっている。
 ② 発明をしたことに気がついても、その発明の本質を、とらえることができていない
  ために、事業への貢献度の低い特許しか、取得できていない。
 ③ 公知技術との差別化された「発明提案書」を、作成することができない。

(2)「技術者向け発明力向上プログラム」はここがちがう!
 ① 発明の生まれる仕組みから、理解して頂きます。
 ② あらかじめ用意した実験結果を用いて、発明の本質をとらえる練習ができます。
 ③ 公知技術との差別化ができる発明としたうえで、発明提案書に仕上げる「手順」と
  「考え方」を、身に付けて頂きます。

(3)セミナー受講の効果
 ①「実験結果」から、アイディアを展開し、発明を拡大できる!
 ②「特許性のある発明要素」を正確に捉え、事業に役立つ「強い特許」を生み出す
  ことができる!
 ③ 公知技術との差別化が十分になされた、「発明提案書」を作成することができる
  ようになる!

 セミナー内容詳細は、以下参照ください。
 http://bit.ly/1dPoq9D


・【広島】5月29日「技術に携わる人のための、ケースで学ぶ契約入門
                   ~共同研究でモメないための基礎知識」(橋本)

 問題を先送りにせず、関係先と良好な関係を築き、成果を出すために!

(1)こんなことでお困りではありませんか?
 ① 過去に共同研究先と契約を巡ってトラブルになったことがある。
 ② 共同研究の際の契約を適切に締結できているか不安を感じることがある。
 ③ 共同契約相手とある程度協議を進めた後に、法務部門から「その契約は認められない」
  と言われ、 板挟みになったことがある。

(2)「技術者向け発明力向上プログラム」はここがちがう!
 ① 技術者が安心して対外的な関係を構築できる、基礎的な知識をわかりやすく解説
 ② 共同契約をはじめとする「3つの典型的ケース」が題材
 ③ トラブルが生じやすい「危険ポイント」、明確に決めるべき「必須ポイント」に注目

(3)セミナー受講の効果
 ① 共同研究において、陥りやすいトラブルを予見、回避できるようになる!
 ② 大学や先生との関係を円滑に進め、成果を出すことに集中できる!
 ③ 研究開発における対外的なやり取りを、自信を持って推進できるようになる!


 セミナー内容詳細は、以下参照ください
 http://bit.ly/1isz2GI



★(東京)小川紘一先生による「オープン&クローズ戦略 ~日本企業再興の条件~」

「オープン&クローズ戦略」研究の第一人者・小川紘一先生の、長年の実証研究に基づく
成果である新著『オープン&クローズ戦略~日本企業再興の条件~』をテキストに、5日間
かけてじっくりと学ぶセミナーです。

5月16日に、第一回が開催されます。

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1lra93e



★(大阪)丸島儀一先生による「丸島ゼミ」、本年も開催
本年も、全6回で「丸島ゼミ」が開催されます。「キヤノンvsゼロックス」普通紙コピー機
戦争の最前線に立ち、「キヤノン特許部隊」を率いておられた丸島儀一先生に、「直接」
「じっくり」指導を受けることができる、貴重な機会です。

5月23日に、第一回が開催されます。

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/QO0VmO



★(東京)【技術者向け】弊社推奨セミナー「エキスパートにきく!」
弊社メンバーが参加し、「面白かった!」と感想を寄せてくれたセミナーの第3弾が、
以下の通り開催されます。


・5月16日【エキスパートにきく!】第3回「発明・技術・アイデアを事業に繋げるスキル」
http://bit.ly/1nybCaN

ベテランエンジニアの方の経験を、座談会形式で”ざっくばらん”に伺うセミナーです。
費用は2000円、時間も17:30-19:00と、いずれも手軽です。


今回の講師は、元NHK放送技術研究所 主任研究員 河合 輝男 氏 です。

ハイビジョン、デジタル放送技術の研究をはじめ、次世代単色X線診断・治療システム、
脳腫瘍等手術支援システム(HivisCAS)、超高速CCDカメラ、メガネなし3Dシステム、
遠隔医療、X線回折によるたんぱく質の構造解析システム、細胞のリアルタイム観察技術、等
多数の技術開発に、成功されています。


ちなみに、講演後の「座談会」の話題は、以下を予定されています。面白そうですね。

 ―事業につながる技術・発明・アイデアとは
 ―ビジネスモデルを描こう
 ―プロジェクトを成功させるポイント
  ~プロジェクトを自分で企画し、メンバーを集める~
 ―多くの知友を得た交流の心得


若手技術者の方、新規テーマ探索をご担当の方、ぜひ、ヒント探しに「ぶらりと」来られては
いかがでしょうか?


弊社では今後も、「実際に参加してみて良かった」セミナーについて、紹介いたします。



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★★「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(17)

前回(16)では、クアルコムの事例を基に、

「”技術の特性”から決まる”市場構造=事業戦略”を、確実なものにする」

のが知財戦略の目的であり、

「先行事例と”バリューチェーン”を分析し、自社の参入する業界構造の変化を推定し、
また、自社に都合のよい業界構造を描き、その実現に必要な技術と知財を調達する」

のが、知財戦略の「立案と実行」である、

ことを学んだ。

・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(16)~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.148
http://bit.ly/1iMF8Xg


今回は、Qualcommの現在の戦略を分析し、「イネーブラー」を目指す企業が打つべき手について、
さらに詳しく見ていく。

Qualcommの現在の戦略は、彼らが推進している「QRD」というプログラムから、読みとれる。

「Qualcommは中国をはじめとする新興国に自社チップセットを普及させるため、QRD(クアルコム・
リファレンス・デザイン)というプログラムを始めた。Qualcommは先進国におけるスマートフォン
市場では圧倒的なシェアを誇っていたが、新興国においては、ローコストで攻めるMediaTek社に
対して苦心を強いられてきた」

そこが高付加価値であればあるほど、自社のレイヤーに対して、ローエンドのプレーヤーが参入
してくる可能性は高い。もともと、自社のレイヤーは知財で守るのが鉄則であるが、Mediatekは、
Qualcommと特許ライセンスを結ばずに事業を継続しているとされ、守りきれていないことになる。


・「MediaTekとQualcommは相互に特許ライセンスを取得せず」経済日報 2013/9/27
http://bit.ly/1gyeayn


これに対するQualcommの戦略は、MediaTekに対抗して、自社チップセットを「普及」させるための
「オープン化」である。

「そこでQualcommはチップセットと部品間のインターフェース、及び製造実装技術などを、新興国の
携帯電話開発メーカーに公開することで、自社チップセットが載った低コストな携帯電話の
早期大量普及を図っている。QRDでは、製造のためのツールだけでなく、部品リストや、試験法/
評価手順、ソフトウェアに至るまで手厚いサポート体制が取られている。これにより、新興企業で
あっても、資金さえあれば誰でも携帯電話が作れるようになった」

IntelのPC用マザーボードに関する戦略と、同じである。


また、関連記事によれば、

「2013年1月時点で、40社以上のメーカーが QRD を利用した170種類のスマホを売り出している」

状況となっている。

・「アップル苦しめるクアルコム”格安スマホレシピ”」日経オンライン 2013/5/2
http://s.nikkei.com/1gyebSY

記事には

「スマホの価格下落が速すぎて」

とあり、彼らの戦略が「予想以上」のスピードで、最先端の携帯電話を世界の隅々まで普及させる
原動力になっていることが、伺える。

・「”100ドル”スマホ、アジアで激戦 」日経オンライン 2014/4/10
http://s.nikkei.com/1uXUzB0


もともとQualcommは、新興国/新参入メーカーに技術提供することで、エンドユーザーが低価格で
購入できる端末を増やし、技術の普及を促進する、という戦略で3G携帯電話を普及させてきている。

・知財戦略とは~発明研究所のすすめ第2回_PEN_2011_September_vol.2_no.6
http://bit.ly/1iML2YA


上記論文の図3には、3G携帯電話の価格が急速に下落していること、そして、図4には、それに
従って産業自体の規模が拡大し技術が普及していること、図5で、その原動力が、Qualcommの技術を
利用した携帯電話メーカーの新規参入であることが、示されている。


これらの事実から、現在のQualcommは、単に「知財で技術を独占し収益を得る」という古典的な
発想で考えているのではなく、「技術の普及を促進」させて競争に勝つ、そのために知財をどう
扱うべきか、と考えていることがわかる。

デバイスの低価格化は、アプリケーションやサービス開発の余地を誘発し、新たなビジネスエコ
システムを作り出す。独占や寡占により高価格を維持するのではなく、エンドユーザーでの価格を
下げて普及させ、さらにエコシステムの発展を促し、好循環を作り出していく「巧みな」戦略である。


まさに「特許制度を利用して、技術を普及させて世の中を進歩させ、それが継続できる収益を上げ」
ている「イネーブラー」企業、それがQualcommである。知識資本主義時代の新しいモデル、と言えば、
言い過ぎだろうか。


最後に、これまでの議論から「イネーブラー」について整理しておこう。同じようなポジションを
目指される企業の知財部の方、企画部門の方、事業責任者の方、および経営者の方は、ぜひ参考に
していただきたい。



1.「イネーブラー」とは?

これまでの議論をまとめると、「イネーブラー」とは、

「技術の早期普及で社会全体に利益(ベネフィット)をもたらし、業界を発展させながら自らも
収益(プロフィット)を上げ、次のチャンスを作り出す企業」

と定義できる。

「技術を単純に独占して収益を上げるのではなく、”普及”のキーマンになることで、社会に
利益を広く提供しながら、収益を上げている」

のが、これまでの「特許による独占」で収益を上げる企業との、違いといえるだろう。

「知財を活用し、社会が進化する時間を早め、それに見合った収益を得る企業」

が、まさにその名の通り「イネーブラー」(enabler)である。

20年、という特許権の有効期限とも相性が良く、技術の代替わりを仕掛けることで、新たな
技術で社会を進化させ、同時に収益を得ている。



2.「イネーブラー」の知財戦略

クアルコムの事例と特許権の特性から、イネーブラーの知財戦略は、以下2つが特徴と
わかった。

1)知財を利用して、他者の資本を活用し「規模とスピードのトレードオフ」を解消する

自社の経営資源にこだわらず、市場の成長拡大のために、他者の経営資源を最大限使う、
そのためには「知財権が必要」という発想である。これは、ライセンスの本来の意味/目的
であり、きわめて正統的なアプローチと言える。
併せてライセンスを通じて、自社以外のレイヤーを徹底的に競合状態に置き、無力化する
ことで普及を促進している点が、「単なるライセンスビジネス」とは異なる。


2)自社の付加価値領域を絞り込み、「さまざまな手法を駆使」して守る

当然のことであるが、そのためには「訴訟も辞さない」ハードな交渉をこなす必要がある。
そして、自社領域に攻め込まれないように「他者の体力を奪う」ための無力化戦略と、
その収益を次の事業機会に思い切って投資する「ハイリスク・ハイリターン」の経営戦略が
必要となる。

これらはいずれも「特許権が排他権である」というシンプルな取り決めから必然的に導き
出される戦略であり、全ての事業に応用可能である。



Qualcommの事例分析を通じて、私が「技術屋」として感じたことを、改めてメッセージとして
まとめ、締めくくりとしたい。

「技術者から見れば、特許は、技術を”企業””経営”というツールに乗せて普及させるための、
便利な仕組み」

「技術者が、技術を正しく世の中に広めるために、知財戦略の理解と、特許に関する基礎知識/
高いスキルが必要」

「特許で技術を独占する時代は終わり、知財戦略を駆使した”イネーブラー”が、技術を素早く
普及させ、世の中を前向きに変革する時代」


知財の戦略的活用が、技術の実用化・普及のために、ますます重要になることを申し添えて、
一連の事例分析を終了としたい。

次回は、「国際標準化と事業戦略」(小川)に戻り、さらに読み進めていく。



※注1)本稿は、弊社が主催する「国際標準化と事業戦略研究会」の研究成果に基づくものです。
無断転載、引用を禁止します。研究会では、本書には取り上げられていない様々な業界の、知財戦略/
標準化戦略を駆使した事業戦略はどうあるべきか、今後も事例研究を進め、学会等で発表する予定です。
お楽しみに。

※注2)Qualcommの事例については、立命館大学/同大学院の講義で毎年取り上げている、

・NHKスペシャル「世紀を超えて」 世界 ビッグパワーの攻防 第2集 特許で世界を制覇せよ
解説記事の例:http://bit.ly/PumN5V

に詳しい。また、立命館大学/同大学院での講義内容に興味をお持ちの方は、以下ご参照ください。

・立命館大学MOT大学院 第5回講義を終えて~クアルコムが携帯電話業界の覇者になるまで
http://bit.ly/1fQnr4n

・立命館大学MOT大学院特別講義「クアルコムは、いかに携帯電話市場を制覇したか」開催報告
http://bit.ly/OgAOmF




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■3月以降の関連イベント

●今回のトピック
・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(15)

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●今週の一冊
「知」のスピードが壁を破る―進化しつづける組織の創造」平尾 誠二

ラグビーの名門 伏見工業高校 でチームを花園へ、そして優勝へ導き、その後、
神戸製鋼、全日本代表/同監督と、常にラグビー界をけん引し続けてきた平尾氏の
「結果を出すための組織論」。

日々、不確実な状況でチームを引っ張り、成果を出さねばならない、すべての
リーダーへ。そして、「自律/自立した」個人を目指す、すべての人へ。


①ラグビーで必要な精神力は、闘争心と集中力=ファイティングスピリットと
コンセントレーション。タックルに行けないのは闘争心の欠如。疲れてボール
を落とす、これは集中力の欠如。闘争心を鍛えるには「自分がなぜラグビーを
やっているのか」という、根本から問い直す必要がある。集中力が欠如して
いるのであれば、集中力の支えとなる体力を鍛えなければならない。

②オフィスがアリーナに、会社員がプレーヤーに、企業はチームに変わる。
その時にプレーヤーに求められるのは、「自己責任と高度なスキル」である。

③情報とは地図のようなものだ。行きたい場所がなければ地図など必要ない。
地図があっても、みているだけではどこへも行けない。目的地があってはじめ
て地図は必要とされる。データを使うのは、選手の技術を向上させ、自発性を
育成するためで、ミスを注意するためではない。

④難しいことにチャレンジするのをエンジョイする。チャレンジとエンジョイを
結びつけるのがスポーツである。単に楽しいのか、それとも「限界に挑戦する
のが楽しいのか」

⑤ボールを宝石に例えると、1番から5番までが原石を掘り起こし、ミッド
フィルダーがマーケティングリサーチを行い、加工し、宣伝する。11番
14番15番が営業で顧客に売り込むのだ。

⑥スピーディーなゲームでは、ボールに一番近い人間が、そのボールに対応
しなければならない。必要とされるのは、自分のスペシャリティーをもちながら、
マルチファセットに対応できるマルチスキルを持つ選手である。

⑦「クイック&オプション」クイックで時間軸を稼ぎ、オプションで選択肢
(空間)を稼ぐ。


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★3月18日「高収益企業クアルコム等から学ぶ!
            バリューチェーンを支配し10年先まで勝つ方法」(楠浦)
 知財戦略で成果を上げている企業の具体例を交え、知財戦略/知財創出法を解説します。
 本内容でのセミナー(楠浦担当)は、今回が最後となる予定ですので、この機会に是非!
 http://bit.ly/MShP1T

★4月9日「特許情報を活用したアイデア・発明の発想法」(秋好)
 日々の業務の課題を、「特許情報」をヒントに解決!発明提案の質・量の向上にも!
 http://bit.ly/NUKFPr

皆様のご参加を、講師一同お待ち申し上げております。



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★★「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(15)

前回(14)では

・IBMは、モジュラー化したPCにおいて、CPUが最も重要な部品であることに気づいていた

が、適切な手を打つ「タイミング」を逸し、さらに

・Intelがセカンドソースを廃止できるまで、力をつけたこと
・互換機メーカー Compaq が、いち早く技術成果を取り込んだこと

が重なり、Intelが「CPUというコア部品の技術進化を独占し」「その成果をいち早く回収する」
戦略の確立につながった、ことを学んだ。

・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(14)~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.144
 http://bit.ly/NUNMHe


今回は、Intelが「コア部品とその技術進化の独占」と「大量普及」のために行った「仕上げの一手」
を見て行きたい。慶応義塾大学ビジネススクール 岩本教授を中心に毎月開催している「国際標準化と
事業戦略」勉強会を通じて、弊社 橋本(はしもと)が作成したケーススタディを引用し、進めたい。
なお、本ケーススタディは2014年度に、弊社講師が担当している各大学/大学院の一部の講義にて、
標準教材として取り上げ、広く「理系の学生が、知財に興味を持つ」きっかけとしたい。

ズバリ「技術の標準化とコア技術以外のノウハウの公開によって、成長期に市場の支配権を得る」が、
その戦略のコンセプトである。


「1980年代後半まで、PCのバス・アーキテクチャは、IBM(MCA)やCompaq(EISA)など、完成品
メーカーが標準化を主導しており、PC業界の支配力はまだ完成品メーカー側に残っていた。しかし、
ムーアの法則に従い急速に独自進化を続けるIntelにとって既存のバス・アーキテクチャは、自社
製品の能力を最大限活かすことが出来ないものになっていた。」

ここで取り上げているPCの構造(バス・アーキテクチャ)については、「国際標準化と事業戦略」
(小川)P130図5.2および、P132図5.3を参照されたい。

IBMとその互換機メーカーは、研究開発によって自社独自の「バス・アーキテクチャ」を開発し、
周辺機器の互換接続性と、自社PCの高性能化を両立させる仕組みを築いていく。周辺機器の接続
互換性を確保し、独自の進化を許すことで、いわゆる「ネットワーク外部性」により、PCの普及と
性能向上を達成していく。

これを、「CPU」という更に内部の部品から仕掛けたのが、「Intel」である。


「そこでIntelは社内にIAL(インテル・アーキテクチャ研究所)を設立し、自らバス・アーキテクチャを
策定することで、この状況を打破した。具体的には、高速PCIバスのオープン標準化と、North Bridge-
South Bridgeという2つのブリッジ構成の提唱である。」

Intelは、PC自体をモジュラー化し、CPUとその周辺のごく一部の部品以外に、高い接続互換性を
持たせられるような「バス・アーキテクチャ」を開発し普及させることで、完成品の開発/組み
立てに残っていた付加価値を収奪し、自社の利益につなげる戦略を仕掛けた。

次へ行こう。


「Intelは、CPUとNorth Bridgeを繋ぐインターフェースは公開せずブラックボックス化しながらも、
メモリやグラフィックなど高速処理が要求され機器への接続はNorth Bridgeを介させ、HDDやDVD
などの周辺機器はSouth Bridgeを介して、オープン標準化されたインターフェースで接続可能な
アーキテクチャへと変えたのである。これによって、IntelのCPUは他の周辺機器に影響されること
なく、独自に処理速度を向上させることが出来るようになり、周辺機器側もIntelのCPUへの影響を
考えることなく独自進化が可能になった。」

Intelは、自らが主導するバス・アーキテクチャを普及させることで、自社の技術ノウハウを開示せず
PC全体の価値を左右するCPUの改良/開発を独自に行えるようになる。これは同時に、周辺部品への
新規参入を促すことで価格競争を起こし、部品単価の低減による完成品価格の下落/大量普及と、
CPUの販売価格(=収益)維持を両立させる仕掛けであった。


「そして、Intelは自社に有利となるこのモデルを普及させるために、マザーボードを低コストで
量産させるために、台湾企業へ製造レシピ(マザーボードの配置・配線規格)を公開した。この
レシピは規格だけでなく設計・製造・検査のレシピまでも含んでいた。これによって多くの台湾企業が
マザーボード市場に参入できるようになった。これにより、完成品メーカーに残っていたチップセット
付きマザーボードの付加価値まで、Intelは収奪し、支配権を確固たるものにした。」

仕上げとして、自社CPUをマザーボード(配線基板)に実装するノウハウを台湾企業に公開し、自社
CPUを搭載したマザーボードを安価に大量普及させることで、誰でも「自社CPUを用いた」PCが作れる
状態を作りだし、PCの技術進化を完成品メーカーが主導する余地を、完全にシャットアウトした。


経緯を、簡単にまとめてみよう。

・既存のバスアーキテクチャは、完成品メーカーが主導したもので、完成品メーカーに付加価値を
維持する仕組みである。
・Intelが支配力を持つために、自社に都合がよい独自のバスアーキテクチャを主導し、普及を仕掛けた。
・独自バスアーキテクチャは、モジュール化を徹底し、周辺機器の独自進化も促し、PCシステムの
高性能化、低価格化、大量普及を推進するためのものであった。

・ATX規格を策定し、台湾メーカーにマザーボードを作らせて、自社チップ/技術を搭載しつつ、
組み立て互換性が高いモジュールを低価格大量普及させた。
・完成品は差別化要素を失い、完成品の付加価値は極限まで下がり、製品進化を主導できなくなり、
インテルの支配力が益々強まっていった。


これら経緯からわかる、部品/モジュールメーカーの打ち手のポイントは、

①市場が成長する段階で、モジュラー化を仕掛け、自社モジュール以外へ競合参入と独立した技術進化を
可能とし、完成品の低価格化と大量普及を加速し、

②合わせて、自社モジュールでの独占を維持するための仕掛けを徹底。Intelの場合には、複数のバス
ブリッジで技術仕様を巧妙にブラックボックス化、

③これらを、自社以外が完成品の技術進化を主導できなくなるように、徹底的に、かつ素早く行う

の、3つである。


既に過去のメルマガで討議した内容である、

④標準化争いではモジュールメーカーが有利であること

⑤あわせて、自社モジュールの上流を無力化する必要があること
(Intelの場合は、製造設備とウエハーの標準化)

も踏まえれば、「事業戦略において、標準化をどう使い”武器”にするか」は、自ずと見えてくる。
これら内容を検討した上で「何を発明し、権利化すべきか」を議論し、発明創出活動、権利化活動に
落とし込んで行くと、日々の「”戦略的”知財活動」となる。


弊社では、このような巧妙な仕掛けにより自社モジュール(レイヤー)の独占と、他レイヤーの付加
価値収奪により、完成品の大量普及、自社モジュールの高収益化と、それを基にした巨額の研究開発
投資で、技術進化を常に主導する企業を、「イネーブラー」と定義している。

イネーブラーとは、

「自社技術の価値を、知財と標準化という”最強のレバレッジ”ツールを用いて最大化し、普及させ、
世界を変えていく」

企業である。まさに、「技術経営」の本質と言える。

現在、慶応義塾大学 岩本教授と、「イネーブラー戦略」について、他産業での事例も含め、詳細に検討し
理論化を試みている。その成果の一部は既に、各種学会にて発表済みである。

今後も引き続き、学会や大学講義でのケーススタディを通じて、情報発信を続けていきたい。


次回以降は、第3世代携帯電話のイネーブラー、クアルコムの事例を取り上げる。これも「国際標準化と
事業戦略」勉強会のケーススタディを基に、一部、立命館大学での講義内容、発明塾での討議内容を交え
見て行きたい。



※注1)図、ページ数等は、第2刷に基づきます。

※注2)本稿は、弊社が主催する「国際標準化と事業戦略研究会」の研究成果に基づくものです。無断転載、
引用を禁止します。研究会では、本書には取り上げられていない様々な業界の、知財戦略/標準化戦略を
駆使した事業戦略はどうあるべきか、今後も事例研究を進め、学会等で発表する予定です。お楽しみに。

※注3)小川先生の最新刊として「オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件」が発売されました。
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「秩序は、天の第一の法則である。全てを明確にし、また視覚化し、そしてよく整理をせよ。
ほとんどのことは、それで解決する」
-詠み人知らず

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