fc2ブログ

ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.158

ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.158
----------------------------------
■■■
■■    ダントツの発明力と知財力を目指せ!
■ ~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.158

配信数:約7200 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
----------------------------------

■目次

・今週の一冊~「社長になる人に知っておいてほしいこと」松下 幸之助

・「発明塾式」発明法(3)~「何の課題を解決するための発明?」

・セミナー情報
 「知財ネゴシエーター育成講座」申込み締切 間近です!
  詳しくはコチラ → http://bit.ly/1tAr89f
 
・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(21)~産学連携による共同研究開発

・本日の一言

----------------------------------

「発明塾」講義では、弊社「発明塾」での指導内容と討議内容を「講義形式」で
紹介します。

「発想力を鍛えたい」
「いい研究テーマを見つけたい」
「戦略的思考を身に付けたい」
「知財戦略について学びたい」

そんな方に、お勧めです。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。

お知り合い、特に技術部門・知財部門の方々に、ぜひご紹介ください!


----------------------------------

●今週の一冊
「社長になる人に知っておいてほしいこと」松下 幸之助

松下氏の「知っておいてほしいこと」シリーズは、いずれも非常にわかりやすく
参考になる。

「経営者というものは、私は広い意味では芸術家やと思うんです。というのは、
経営というものは、一種の総合芸術やとおもうから。・・・要するに白紙の上に
価値を創造するわけですわな。これ、経営と同じです。むしろ・・・立体的と
いうか、四方八方に広がる広い芸術を目指している。だから、生きた芸術、
総合的な生きた芸術が経営だと・・・」

やはり、この人は別格です。

つくづく、直接話を聞いてみたかった、と思う方です。


----------------------------------


★★「発明塾式」発明法(3)~「何の課題を解決するための発明?」
前回は、

「フィリップスのRFIDタグを使った特許」

を取り上げ、

「何の課題を解決するための発明」

であるか、考えて頂くことにしました。

今回は、その解説です。


「生鮮製品の消費期限の監視」特表 2008-510218
http://bit.ly/1tb6mKO


<バックナンバーのため、以下割愛します。配信(無料)お申込みください>


次回、実際の議論を引用しながら、「この特許」の先を「読み」、アイデアを出しましょう。

ヒントは、この公報の中にあります。再度じっくり、読んでみてください。

思いついたことは、ぜひメモしておきましょう!




/////9月以降の 技術者向け 「発明・知財」セミナー情報/////////


★(広島)弊社講師セミナー(広島県発明協会と共催)

・9月24日(水) 「”ロジックツリー”を用いたアイデア発想」(秋好)

すぐに使える発明発想のテクニックを「このセミナーの時間内」に、身に付けることが
できます!

詳細は、以下参照ください
http://www.hiroshima-hatsumei.jp/news/kiji5634.html



////////9月以降の 知財関係者向け セミナー情報////////////


★(東京)「知財ネゴシエーター育成講座」

本研修では、知財ネゴシエーション経験が豊富な2名の講師をお迎えし、
「交渉企画力」と「交渉術」を、基礎から習得します。

実践的な模擬交渉を通じ、

「知財ネゴシエーションをリードできる”プロフェッショナル”の育成」

に取り組みます。

・日 程: 9月17日(水) 10:00~17:30
・場 所: 新橋駅前プラス(東京都港区新橋1-17-1 YUKEN新橋ビル4階)
・講 師: 二又俊文(東京大学 元シズベルジャパン 元松下通信工業)
      木村晋朗(弁理士 インフォート国際特許事務所、
           元半導体エネルギー研究所、元シズベルジャパン)

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1tAr89f



★(東京)『最新韓国特許審査現状と制度について』『3Dプリンティング技術の特許出願動向解析』

「基本特許の期間満了」が、よく話題に取り上げられる3Dプリンティング。典型的な消耗品
ビジネスであることに加えて、著作権ビジネスでもあるため、知財戦略を駆使することで、
大きな収益が期待できる分野の一つです。

また、装置側(カートリッジ、制御ソフト)と材料側で、標準化と知財を巡る綱引きが予想
される、注目分野でもあります。

サービス(造形用データ提供など)側のプレーヤーにとっては、装置と材料のプレーヤーを
競合させて3Dプリンターを安価に普及させ、データ販売で高い収益を上げたいところです。

ここでも、知財戦略が極めて重要です。

すでに度々ご紹介済みの、いわゆる「無力化戦略」です。

このように、3Dプリンタ分野は「付加価値の争奪」を巡って、「知財戦略の定石」を駆使した
争いになります。

特許分析動向の紹介があるとのこと。参入戦略を検討されている方は、ぜひご活用を。


・日 程: 9月17日 (水) 15:00~17:30


詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1wLETo2




//////////////////////////////////////


★★「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(21)~産学連携による共同研究開発

前回(20)では、「海外の拠点や研究機関との連携」として、

「第一国出願を、発明がなされた国で行わなければならない場合がある」
「日本に持ち帰った技術を、第三国に持ち出す際にも、注意が必要である」

ことを、米国の規定を中心に学んだ。


・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(20)~海外の拠点や研究機関との連携
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-169.html


今回のテーマは「産学連携」。

産学連携に対する本書のスタンスは、以下に集約されている。

「産学連携は、できるだけ早い時期、すなわち研究企画段階から行ったほうがよい」P99

必要な権利の先行取得も含め、産学連携における知財活動は、社内の研究開発以上に
前倒しですすめる必要がある。

なぜか。


本書では、以下の問題点が挙げられている。

「大学が基本特許を出願し、事業化の見通しが立った時点で企業にライセンスして、
実用化を目指して共同開発をするという産学連携が行われることもあるが、これは
知財面から見ると手遅れである」P99

「大学による特許の出願は、基本特許1件のみ、しかも国内のみの場合が多い」P99

「大学が基本特許を出願すると、その技術はオープンになる。よい技術であれば、
世界中の研究者がそれに関する研究開発をすることは間違いない・・・連携する企業側
からすれば、技術をオープンにする前に戦略的な権利形成活動のための時間が欲しい」
P99

常に「知財を先手で手当てしていく」という、原理原則に基づいた指摘である。


以下、産学連携における具体的な懸念点について、ポイントを抜粋して紹介したい。



1.秘密保持体制

「企業と大学とが大きく異なる点は、企業は‘情報の秘密'性を保つ体制をつくれるが、
大学は、本来、情報をオープンにする場所だということである。大学の先生の研究室
には在校生のみならず、卒業生が頻繁にやってくる。しかも卒業生が互いにライバル
企業で働いていることもある」P100


他、学生の成果と秘密保持の問題についても、厳しく規定すると、例えば

「就職面接で、学生が研究内容を話せない」

などの問題が生じうることを、指摘している。



2.契約、特に「不実施補償」の問題

産学連携に関する契約については、特に

「”企業と共同研究を行っても、大学は事業を実施しないため、企業が研究成果の利益を
独占できる。したがって、企業は大学の貢献分を還元すべきである”という考え方」P101

に基づいた、いわゆる「不実施補償」をめぐる対立が起きやすい点を、指摘している。

これに関しては、

「特許を受ける権利を最初から譲り受け、単独所有の特許権として保有することを考慮する
のも一案であろう」P102

として、事前の取り決めや、出願/維持費用負担の問題を勘案した解決策の模索を、提案
している。



3.権利の承継

これも、1.の場合同様、学生が関与する場合は、特に注意して進める必要がある。

「産学連携では学部や大学院の学生も研究に加わる。学生は大学の職員ではないので、
大学の職務発明規定の対象とはならない」P102

その他、種々のリスクに言及した上で

「現実的対応手段としては、学生から譲渡証をもらっておくべきであろう」P103

としている。



4.学内研究における権利侵害のリスク
これは、大学関係者に向けた指摘として、読むこともできる。

具体的には、「特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない」
という特許法の規定を取り上げ、議論している。

「大学で行う研究すべてに関して特許権の効力が及ばないことを意味しているわけではない」
P103

として、具体例として研究設備として「顕微鏡を使う」場合を取り上げ、説明している。

「たとえば、顕微鏡に特許権があったとする。この場合、顕微鏡のそのものの技術の進歩を
目的として研究を行うこと自体は特許権の侵害にはならない。しかし、特許になっている
顕微鏡を基にして特定企業のための製品開発を行うのは、特許法のいう”試験又は研究のため
にする”実施にはあたらず、特許権を侵害することになる」P103

実際に、

「アメリカでは大学のなかの実施に対して、権利侵害だという訴えが起こっている」P104

として、注意を喚起している。

具体例については、たとえば以下資料に詳しい。

・内閣府資料より抜粋
「1.我が国における特許権の効力が及ばない”試験又は研究”について」
http://www8.cao.go.jp/cstp/output/iken040526_2_5.pdf


重要なことは、これらの問題点を現実的な手段で解消しつつ、産学連携を進め、研究機関の
技術を「上手に」活用することである。


次回は「知財と国際標準化」を、取り上げる。「競争と協調」のための知財戦略である。



※注1)図、ページ数等は、第1刷に基づきます。
※注2)本連載は、弊社独自の解釈に基づくものです。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★【定期開催中】『知財塾』

弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行っております。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 info@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★「ダントツの知財力と発明力」を目指す企業知財部門の皆様へ

日々、徹底した知財活動を実践できる 技術者/知財スタッフ・リエゾン/リーダーの育成を、
弊社と共に始めませんか?

弊社の教育プログラムから、戦略的知財活動を支える、「知財のわかる」技術者が続々と誕生し、
現場で活躍しています。


「実績豊富な講師陣」と「作りこまれた教材」で、御社の知財活動の推進をサポートします!

「講師の紹介」は、こちら → http://bit.ly/1hGJJFB 
「お客様の声」は、こちら → http://bit.ly/PJyPIn


その他、各種ご相談、教育カリキュラム、教育内容、教材に関するお問い合わせも、
info@techno-producer.com まで!


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

・コラム「ビジネスと知財」 
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「人生の大きなチャレンジに対して、主体的に対応する力が育成されるのは、日々の平凡な
 出来事の中である」
-スティーブン・R・コヴィー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼周りの方に、ご紹介ください
▼無断転載を禁じます
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで
▼HP http://www.techno-producer.com/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スポンサーサイト



ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.157

ダントツの発明力と知財力を目指せ!~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.157
----------------------------------
■■■
■■    ダントツの発明力と知財力を目指せ!
■ ~TechnoProducer「発明塾」講義 Vol.157

配信数:約7100 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
----------------------------------

■目次

・今週の一冊~「対称性の破れが世界を創る―神は幾何学を愛したか?」

・「発明塾式」発明法(2)~「課題‐解決」型 発明のための「発明分析」
 
・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一著)を読む(20)

・本日の一言

----------------------------------

「発明塾」講義では、弊社「発明塾」での指導内容と討議内容を「講義形式」で
紹介します。

「発想力を鍛えたい」
「いい研究テーマを見つけたい」
「戦略的思考を身に付けたい」
「知財戦略について学びたい」

そんな方に、お勧めです。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。

お知り合い、特に技術部門・知財部門の方々に、ぜひご紹介ください!


----------------------------------

●今週の一冊
「対称性の破れが世界を創る―神は幾何学を愛したか?」イアン・スチュアート


「もっとも美しい対称性 」
「自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか? 」
「分ける・詰め込む・塗り分ける―読んで身につく数学的思考法 」

など、数学の世界をわかりやすく、身近な事例やクイズ形式で紹介してくれる
イアン・スチュアート。

私が初めて読んだ彼の著作が、これ。


現在ある状態は、

「潜在的に可能な状態の一つであり、そのKEYは対称性の破れ(減少)である」

として、大学で習った流体力学や群論等を、対称性を軸に一つにつなげて
くれた本。


折角の夏休み、少し硬めの本もどうぞ。


----------------------------------


★★「発明塾式」発明法(2)~「課題‐解決」型 発明のための「発明分析」

前回は、

「発明の方向性には4つのパターンがある」

こと、そのなかでも、

「”課題‐解決”型 発明が、もっとも一般的である」

ことを学びました。


今回は、実際の食品包装に関する先行特許文献を「課題‐解決」で分析し、
どのように着想を得るのか、当時の討議メモを振り返ってみましょう。

「生鮮製品の消費期限の監視」特表 2008-510218
http://bit.ly/1tb6mKO

出願人は「フィリップス」です。
詳しくは上記URLにて公報を見て頂くとして、要約部分のみ転記しておきます。


<バックナンバーのため、以下割愛します。ご購読お申込みください>


次回、答え合わせをします!



/////8月以降の 技術者向け 「発明・知財」セミナー情報/////////


★(大阪)弊社講師セミナー(大阪発明協会と共催)

・8月21日(木) 「技術に携わる人のためのケースに学ぶ契約入門
               ~共同研究でモメないための基礎知識~」(五丁)

事例に基づいた演習を繰り返すことで、共同研究、業務委託やサンプル取得に関する
トラブルを予測/回避し、研究開発における対外的なやり取りを、自信を持って推進
できるようになります!

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1lE1Ait



////////8月以降の 知財関係者向け セミナー情報////////////


★(東京)(大阪)2014年 夏期知的財産連合英語セミナー
「アジアにおける知的財産の将来を考える」のお知らせ

今年も東京では8月25日から5日間、大阪では9月1日から5日間(※)、それぞれ開催されます。

詳細は、以下参照ください
http://www.jauip.org/activities/2014/summer_seminar.html



//////////////////////////////////////


★★「国際標準化と事業戦略」(小川紘一著)を読む(20)

前回(19)では、

「三菱化学は、記録型DVDにおいて、AZO色素とスタンパに注力し”ここさえ守れば、
圧倒的な収益率が維持できる”部分を作り」

「その部分に限定して特許を取得する」

ことで、

「知財権への投資の、事業収益への貢献度を高める」

戦略を取っていることを学んだ。


・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(19)
              ~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.154
 http://bit.ly/1tb6nOU


繰り返しだが、「圧倒的な強み」にフォーカスすることで「特許という投資に対する
収益」が最大化される。

弊社が提唱する知財戦略の「第一の鉄則」は、「ROI(投資対収益率)」を高める、
である。


では、第二の鉄則は何か。それは、

「普及させる」

である。

「高収益=高収益率x大量普及」

だからである。


この「普及」を達成する要素は、以下の2つである。

(1)それが必ず必要とされること
(2)大量、安価に供給されること


以下、順に見ていこう。


(1)それが必ず必要とされること
発明塾では、よく「必然性」という言葉を使う。

「それが、必ず使われるのか?」
「それが無ければ、成り立たないのか?」
「それは、絶対に必要とされるのか?」

普及させるためには、この質問に「Yes」と答えられるものでなければならない。


三菱化学の記録型DVDの場合、肝は「Write Strategy」にある。

Write Strategy とは、簡単に言うと、

「DVDにデータを書き込む際の、レーザー光の”当て方”に関する制御アルゴリズム」

だと思っていただければよい。つまり、ソフトウェアである。


三菱化学が、大手DVDドライブメーカーに、自社のAZO色素を用いたサンプルを
積極的に提供し、この Write Strategy を、自社の色素に適したものに誘導した。

「当時の標準化団体であった DVD フォーラムや ⅣD+RW アライアンスなどのいずれの
陣営でも、新規の技術を国際標準に取り込むには Working Group(WG)で技術データを
公開し、メンバー企業に試作サンプルを回覧しながらその妥当性をラウンドロビン・
テストによって確認した。記録層に色素を使って4.7GBのDVDディスク媒体を開発できた
企業は、三菱化学以外にも太陽誘電など数社あったが、標準化をリードするDVD装置
メーカが自社の事業戦略を三菱化学と共有しながら、AZO系色素をベースに最適な
Write Strategy を作り上げた」P234

つまり、

「技術的には数社が可能であったが、三菱化学が、知財戦略で勝ち残った」

ということになる。


本書の別の場所ではこれを、一言で

「DVDの国際規格に自社のAZO色素ノウハウを刷り込み」P236

のように表現している。

「規格書にAZO色素を使うという条件は一切記載されていないが、記録型DVD装置で
最も深い擦り合わせノウハウで構成される”Write Strategy”が、三菱化学のAZO色素を
前提にして開発されている」P234(””は、弊社にて追加)

つまり、DVDドライブのコアな部分が三菱化学のAZO色素を前提に作られている、という
状態を作り出したのである。


このように、三菱化学は、自社の色素を普及させるためにまず、記録型DVDが利用される
「ハードウェア」=DVDドライブの

「制御ソフト」

を、自社色素に最適なものに誘導し、自社色素が記録型DVD基板に積極的に利用され、
また、自社色素以外が排除されるように、仕掛けたのである。


これが、

「それが、必ず使われるのか?」
「それが無ければ、成り立たないのか?」
「それは、絶対に必要とされるのか?」

を、「Yes」にする仕掛けであった。


そして、この仕掛けは

「規格書にAZO色素を使うという条件は一切記載されていないが・・・Write Strategy が
装置側のファームウェアに擦り合わせノウハウとして蓄積されるので、DVDメディア・
メーカ側でこれを変更するには、大変な時間と費用を必要とする」P234-235

のように、製造側の普及の仕掛けにも、関連してくる。非常に巧妙である。

これは次回、引き続き見ていきたい。



※注1)図、ページ数等は、第2刷に基づきます。

※注2)本稿は、弊社独自の研究成果に基づくものです。無断転載、引用を禁止します。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★【定期開催中】『知財塾』

弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行っております。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 info@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★「ダントツの知財力と発明力」を目指す企業知財部門の皆様へ

日々、徹底した知財活動を実践できる 技術者/知財スタッフ・リエゾン/リーダーの育成を、
弊社と共に始めませんか?

弊社の教育プログラムから、戦略的知財活動を支える、「知財のわかる」技術者が続々と誕生し、
現場で活躍しています。


「実績豊富な講師陣」と「作りこまれた教材」で、御社の知財活動の推進をサポートします!

「講師の紹介」は、こちら → http://bit.ly/1hGJJFB 
「お客様の声」は、こちら → http://bit.ly/PJyPIn


その他、各種ご相談、教育カリキュラム、教育内容、教材に関するお問い合わせも、
info@techno-producer.com まで!


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

・コラム「ビジネスと知財」 
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「アウトスタンディング、独自の価値、基本に忠実」 元 日本マクドナルドCEO 原田泳幸

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼周りの方に、ご紹介ください
▼無断転載を禁じます
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで
▼HP http://www.techno-producer.com/
▼バックナンバー http://bit.ly/14pZyvz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.154

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.154
----------------------------------
■■■
■■    TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.154


配信数:約6800 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
----------------------------------

■7月以降の関連イベント

●今回のトピック
・「 国際標準化と事業戦略」(小川紘一著)を読む(19)


★「発明塾」とは? http://www.techno-producer.com/case/invention.html
「発明塾」は、弊社の登録商標です。

★「ダントツの発明力と知財力」のために~TechnoProducerの知財教育を!
 ご利用者の声~ http://www.techno-producer.com/voice/

----------------------------------

●今週の一冊
「ビジネスマンのための『発見力』養成講座」小宮 一慶

前回に引き続き 小宮 氏の本となりますが、本書は、入社2-3年目の方を
目安に、お読みいただきたい本です。経験的に、

「言われたことをやる」「言われてからやる」

を卒業して、

「先取りし、自分で提案し、結果を出す」

ことが”そろそろ”求められる層、と言い換えてもよいでしょう。

ここで必要になるのが、「発見力」です。


では、発見とは何か。

「見えてなかったものが、見えること」

です。正確には、

「他の人には見えていないが、自分には見えた」

になるでしょうか。単に「他の人に見えていたものが、自分に見えていなかった」
だけなら、その発見は単なる「自己満足」です。


見ているが「見えていない」。これは、人間の認知機能の限界です。

①関心を持つ
②仮説を持つ

ことで、見えるようになります。


具体的には、

①関心を持つ
 切り口を持ち、分解して絞って見る。「黒い服」の女性に注目する、等

②仮説を持つ
 仮説を基に、目の前の物事について「判断」していく。YESかNOか、等

と、されています。


なぜだろうか、本当にそうか、など、常に口ずさみながら「見る」と
よいかもしれません。

他、前提を疑う、疑問を持った理由を探す、全体を見通せる一点を探す、
などの手法が紹介されています。

これらの考え方の一部は、「Critical Thinking」と呼ばれます。


あと「思想をもった人間のみを抜擢する」と書かれています。これは、
下名の経験的にも「なるほど」という感じがします。

「思想」=「普遍性のある判断基準」

と言い換え、定義すると、わかりやすいでしょうか。


このように、常に言葉を定義し、概念を明確化していくことも、一つの
テクニックかもしれません。

「なんとなく分かったつもり」

にしている時とは、異なる景色が見えてきます。


「その言葉、自分は本当に分かっているのか」

でしょうか。



----------------------------------

本メールマガジンは、技術者の方々、知財担当者、人材育成/教育担当者の方々に、
ちょっとしたお役立ち情報を、お届けいたします。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

★コラム「ビジネスと知財」 http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php


お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
ぜひご転送、ご紹介ください!

お願いします!!!



★★★★★★★★ 【定期開催中】『知財塾』 ★★★★★★★★★★★★★


弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行います。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 info@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti


<途中割愛>


★★「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(19)

前回(18)では、デジカメの事例を基に、

「デジタルカメラ自体は、広く素早く普及させたいが、その市場は、自分たちで独占し、
圧倒的な収益を上げたい」

という経営上の「相反する」要求に対して、デジタルカメラ業界が出した一つの答えが、

「普及のための標準化」と「差別化技術のブラックボックス化」

であったことを学んだ。


また、携帯電話用カメラモジュールとの比較から、同じような技術であっても、

「自社が、どういう技術を持っているのか、調達できるのか」
「業界構造は、どうなっているのか、どのようになると考えるのか」

などにより、「標準化」を仕掛ける部分も異なってくる、ことも学んだ。


・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(18)
              ~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.152
 http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-165.html


今回は、P223以降で取り上げられている、三菱化学の「記録型DVD用AZO色素」の事例を
見ていきたい。

「あんなに難しい技術を、日本以外の国が作れるはずがない」P224

と言われた記録型DVDメディアであったが、結局はCD-Rと同様に、台湾、インド、
中東の企業が参入するにつれ、価格下落→日本企業のシェア低下→撤退となっている
(P225、図9.1)。この厳しい戦いを勝ち抜いたのが、三菱化学である(P231、図9.5)


本事例は、以前に一度、経済産業省の資料を基に、簡単に取り上げている。

・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(8)
              ~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.131
 http://bit.ly/1a8yEMH

これを踏まえて、新しい読者の方はもちろん、以前からの読者の方にも有意義な議論と
なるように、少し視点を変えて、本事例を読み進めたい。


知的財産戦略にせよ、標準化にせよ、目的はズバリ「出来るだけ高い収益が上がるように
すること」である。全ての活動を、常に「経営目標と結び付けて」議論し、理解しておく
ことが、極めて重要である。

この「収益」が上がる仕組みは、よく、ビジネスモデル(以下BM)と呼ばれる。

では、今回の三菱化学のDVD用色素に関する「知財」「標準化」戦略の背景にある「BM=
収益が上がる仕組み」は、どのようになっているのか、少し考えてみる。


ある製品から生み出される収益は、どのようにして決まるのか。いろいろな説明方法が
考えられるが、仮に以下のように「因数分解」してみると、どうか。

「ある製品により生み出される収益 = 製品一つ当たりの利益 x 販売数量」

至極単純であり、「利益の出る商品」を「数多く売れ」ばよい、となる。


少し堅苦しく言い換えると、「高い利益率を維持し」て、「売上高を伸ばす」。

堅苦しすぎました。


では、この2つの説明の「あいだ」を、取って

「利益率の高い商品」を「数多く売る」こと

にしましょう。


今回の「記録型DVD用AZO色素」の例では、

「普及するもの = DVDプレーヤー or DVDドライブ(ライトストラテジー)」

にすり合わせられた、「他者にはつくれない」自社の独自製品

「収益源 = AZO色素+スタンパー」

が、「勝手に売れていく」ことで、「利益率の高い商品」を「数多く売る」が実現
している。



重要なことは、「数多く売る」ための仕組みと、「利益率を高くする」仕組みが、
それぞれ別の部分に組み込まれていること。


くどいかもしれませんが、とても重要なことですので、もう少しだけ、詳しく見たい。

三菱化学のDVDに関する知財・標準化戦略の本質は、P229の図9.3に示されている。
繰り返しになるが、この図で強調されているのも

「利益の源泉を守る」+「普及を早める(大量普及)」

の2重構造である。本事例の場合、利益の源泉を守るのは、三菱化学が特許を保有
する「AZO色素」であり、AZO色素の塗布に最適設計された「精密原盤(スタンパ)」
である。


たとえば、三菱化学のDVDスタンパに関する特許には、

「追記型DVDの溝深さを、内周から外周に向かって深く・・・(中略)・・・する
ことで、色素の溶液をスピンコートする際の、膜厚の均一性を実現する」

とする技術思想が、開示されている。しかし、設計上の細かいパラメーターは、
秘匿されている。

このように、利益の源泉は「特許」と「ノウハウの社内管理」で保護されている。


重要なことは、「記録型DVD」すべてに関して特許やノウハウで保護するためには、
多くの特許取得をはじめとした、大きな投資を必要とするが、色素とスタンパに
限れば、必要な投資も限定される、ということ。三菱化学の独自性はそのAZO色素に
あるわけなので、

「圧倒的な強み」

にフォーカスすることで、「特許という投資に対する収益」が最大化される。


弊社が提唱する知財戦略の「第一の鉄則」は、「ROI(投資対収益率)」を高める、
である。

これは、「知財権を有効に活用することで、技術投資に対する収益を高める」という
考え方であるが、同じロジックで、「知財権への投資の、収益への貢献度を高める」
ように事業戦略を立てる必要がある、と考えている。


三菱化学は、AZO色素とスタンパに注力し「ここさえ守れば、圧倒的な収益率が維持
できる」部分を作った。もともと技術的にも強く、ノウハウもあり、更に特許も固めて
いる。「利益率を高める」部分として、最適である。


上記のような鉄則と、ビジネスモデルに関する基本的な理解を踏まえれば、本書で
取り上げられているさまざまなケースも、より理解しやすい。


弊社では、勉強会や発明塾、弊社講師が担当している各大学の講義で、本書のさまざまな
ケースについて、日々議論を積み重ねている。

それらが、弊社の「他を寄せ付けない圧倒的な」教育力の源泉になっている。


次回も、紙上討議という形で、引き続き「三菱化学のDVD色素」に関する、知財・標準化
戦略の理解を深めていきたい。



※注1)図、ページ数等は、第2刷に基づきます。

※注2)本連載は、弊社独自の解釈によるものです。

※注3)本稿は、弊社が主催する「国際標準化と事業戦略研究会」の研究成果に基づくものです。
無断転載、引用を禁止します。研究会では、本書には取り上げられていない様々な業界の、
知財戦略/標準化戦略を駆使した事業戦略はどうあるべきか、今後も事例研究を進め、学会等で
発表する予定です。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★「ダントツの知財力と発明力」を目指す企業知財部門の皆様へ

日々、徹底した知財活動を実践できる 技術者/知財スタッフ・リエゾン/リーダーの育成を、
弊社と共に始めませんか?

弊社の教育プログラムから、戦略的知財活動を支える、「知財のわかる」技術者が続々と誕生し、
現場で活躍しています。


「実績豊富な講師陣」と「作りこまれた教材」で、御社の知財活動の推進をサポートします!

「講師の紹介」は、こちら → http://bit.ly/1hGJJFB 
「お客様の声」は、こちら → http://bit.ly/PJyPIn


その他、各種ご相談、教育カリキュラム、教育内容、教材に関するお問い合わせも、
info@techno-producer.com まで!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「人生とは、毎日毎時間の連続である。今日を捕まえよう、現実から逃げるな」
‐D.カーネギー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼周りの方に、ご紹介ください
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで
▼HP http://www.techno-producer.com/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.153

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.153
----------------------------------
■■■
■■    TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.153


配信数:約6750 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
----------------------------------

■6月以降の関連イベント

●今回のトピック
・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(19)


★「発明塾」とは? http://www.techno-producer.com/case/invention.html
「発明塾」は、弊社の登録商標です。

★「ダントツの発明力と知財力」のために~TechnoProducerの知財教育を!
 ご利用者の声~ http://www.techno-producer.com/voice/

----------------------------------

●今週の一冊
「ビジネスマンのための『数字力』養成講座」小宮一慶

今回は、そろそろ「会社」にも慣れてきたかなーという、新入社員の方向けの
書籍です。

毎日のニュースや企業活動は、数字に溢れています。
それぞれを、どう「繋げて」見るか、頭のトレーニングをぜひ、今のうちに
行っておいていただきたいですね。

毎日見ている数字が、より生き生きしたものとして、感じられるようになります。
世の中も、会社の仕組みも見えてきますし、仕事も楽しくなります。


下名の経験上、「数字力」には、以下の「3つの効果」があります。

・数字で具体的に考えることが、発想につながる
・説得力が増す
・ベースとなる数字を頭に入れておくと、「仕事の瞬発力」が違う

アイデアが出て、結果がすぐに出て、しかも説得力も出る。

いいことばかりです。


「イマイチ話が漠然としてしまう」
「考えが具体的に進まない」

という方は、数字にして「計算」するようにすると、イメージがより
具体的になって、考えがどんどん進みます。


数字にもコツがあって、スズキ自動車の鈴木会長が、

「”XX %”工数削減ではなく、”XX 人”作業員を減らす」

と考えると、具体的なアイデアが出る、とおっしゃっていました。「%」の
ような「曖昧な数字」ではなく「XX 円」「XX 人」のような「具体的な数字」
で考えることが、とても重要です。下名は「一次情報の数字で考える」と
呼んでいます。「%」は、計算しないと出てきませんから、二次の情報です。

まさに「数字力」です。


「イマイチ話に説得力がない」「よい発想が浮かばない」と、「仕事の壁」を
感じ、「乗り越えたい」と悪戦苦闘しておられる若手の方も、ぜひ。



----------------------------------

本メールマガジンは、技術者の方々、知財担当者、人材育成/教育担当者の方々に、
ちょっとしたお役立ち情報を、お届けいたします。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

★コラム「ビジネスと知財」 http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php


お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
ぜひご転送、ご紹介ください!

お願いします!!!



★★★★★★★★ 【定期開催中】『知財塾』 ★★★★★★★★★★★★★


弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、
勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行います。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 info@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti



/////////6月以降の知財セミナー情報///////////////


★(広島)弊社講師セミナー(広島県発明協会と共催)

・7月24日「実験結果から特許となる”発明”を抽出するスキル」(秋好)

弊社オリジナルの「アイデアシート」を作成いただきながら、発明の本質を捉え、
発明提案書に表現するスキルを身に付けて頂きます。

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1pDDU50



★ (東京)早稲田大学知的財産法制研究所[RCLIP]主催セミナー
「国際的知的財産紛争の効率的な処理と知的財産専門裁判所の果たすべき役割」

第2部で「中国における知的財産専門裁判所の設立と知的財産訴訟の現状」について
講演があります

・日 時 : 6月28日(土) 13:30~18:15
・会 場 : 早稲田大学早稲田キャンパス8号館B102教室
       http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1q6Kb6X


★(大阪)平成26年度 弁理士の日 記念講演会
「3Dプリンタ技術の新潮流~温故知新で知財とともに次世代ビジネスに挑む~」

日本弁理士会近畿支部主催の講演会です。
弊社主催セミナーでも度々ご講演頂いております、菅田先生も、講演されます。

・日 時 : 6月28日(土) 13:00~16:30(開場 12:00)
・会 場 : 松下IMPホール(大阪市中央区城見1丁目3ー7)

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1gW9J6f


★(東京)AIPPI・JAPANセミナー
「特許実務に変化を及ぼす最新の米国最高裁判決の解説」

特に注目すべき米国最高裁判決を3件取り上げ、それらの事件、判決が特許実務に
どのような変化をもたらすのか、解説があります。
また、法律の説明や分析に加え、特許実務者が堅固な知財の獲得に向け実務面を
どう強化すべきか、判決の実践的な応用についても、解説があります。

・日 時 : 7月1日(火)13:30~17:00
・会 場 : 全日通霞ヶ関ビルディング8階 大会議室
      (東京都千代田区霞ヶ関3-3-3)
       http://www.neu.or.jp/html/map/

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/1pDD0W7




//////////////////////////////////////



★★「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(19)

前回(18)では、「アライアンスにおける知財の取り扱い」について、

(1)「共有」は、必ずしも「平等」を意味しない
(2)国によって「特許の共有」の意味は、大きく異なる

ことから、「事業を見据え」て、特許と契約、双方を上手く組み合わせて考える必要が
あることを、「プリンタ・メーカーとモーター・メーカー」の事例から、学んだ。

・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(18)~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.151
 http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-163.html

今回は、前回に引き続き、具体的に「特許と契約」を、どのようにすればよいか考えてみたい。


再度整理しておくと、以下の問題に答えを出すことが、今回の「特許と契約」の目的である。

プリンター・メーカーAとモーター・メーカーBが、新しいモーターXと、それを使った
プリンターを共同で研究開発した場合、成果を「平等」に利用できるようにするには、
「特許の取得」と「契約」を、どのようにすればよいか?


これについて、現時点で想定できる問題点は、以下である。

「モータXの特許を取り、共有」とした場合、A社(プリンター・メーカー)はB社
(モーター・メーカー)とは別にモーターを調達することはできず、共有する意味がない。

「モーターX内臓のプリンターの特許を取り、共有」とした場合、B社(モーター・
メーカー)は、A社(プリンター・メーカー)以外のプリンター・メーカーにモーターを
販売することが出来ず、共有する意味がない。


さらに前提条件として、

「プリンター・メーカーAは、一定期間はBから新しいモーターの独占供給を受けたい」P95

「この一定期間が過ぎた後、互いが自由に事業を行えるようにする」P95

を、考慮しておく必要がある。


さて、この場合「どのような特許を取得」すれば、よいだろうか? 

また、「どのような契約」にすれば、よいだろうか?


本書では、一例として、次のような手法を提示している。


1)特許について
取得する特許については、以下のように、後述の契約で「切り分ける」ことを想定して
取得する。

「共同研究開発の成果の特許を取って、これを共有にする。その中でクレームを大きく
二つ取る。モーターのクレームとモーター内蔵のプリンターのクレームである」P95


2)契約について
まず、上記の二つのクレームを、それぞれが独占できるように取り決める。

「モーターのクレームを契約によって、モーター・メーカーのBが独占する。モーター
内蔵のプリンターのクレームは、これもまた契約によってプリンター・メーカーのA
の独占とする。特許は共有として登録されているが、契約によって、モーターと
プリンターを切り分けるのである」P95


しかし、このままでは、モーター・メーカーBが他社にモーターを販売した場合、

「プリンター・メーカーAから攻撃」P96

されてしまう。それを避けるため、

「プリンター・メーカーAから、Bが売ったモーターを採用した企業を攻撃しない、
という契約を取り付けておく」P96

必要がある。


また、プリンター・メーカーAとしては、

「自分の権利を行使して事業を行うには、B以外からもモーターの供給を受けたい。
・・・Zという特定の一社にモーターをつくらせる権利(ハブメイド権という)を
Bから認めてもらう。そしてZが生産したモーターの全量をAが買い取る」P96

契約とする必要がある。そうでなければ、B社に供給や価格をコントロールされて
しまうため、安心して事業が出来ず、共同開発した意味がなくなる。


ここまでの、「特許と契約」の仕掛けをして、「平等」ということになる。

「この例は、素材メーカーと部品メーカー、部品メーカーとセット・メーカー、
あるいはこれら三者における共同研究開発を考える時の例にもなる」P96

ため、ぜひ完全に理解しておきたい。

次回は、海外の拠点や研究機関との連携について、注意すべき点を取り上げる。



※注1)図、ページ数等は、第1刷に基づきます。
※注2)本連載は、弊社独自の解釈に基づくものです。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★「ダントツの知財力と発明力」を目指す企業知財部門の皆様へ

日々、徹底した知財活動を実践できる 技術者/知財スタッフ・リエゾン/リーダーの育成を、
弊社と共に始めませんか?

弊社の教育プログラムから、戦略的知財活動を支える、「知財のわかる」技術者が続々と誕生し、
現場で活躍しています。


「実績豊富な講師陣」と「作りこまれた教材」で、御社の知財活動の推進をサポートします!

「講師の紹介」は、こちら → http://bit.ly/1hGJJFB 
「お客様の声」は、こちら → http://bit.ly/PJyPIn


その他、各種ご相談、教育カリキュラム、教育内容、教材に関するお問い合わせも、
info@techno-producer.com まで!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「自律とは、自分勝手・自分都合ではなく、世界が求めるものを、自らの行動と規準に落とし込む
ことである」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼周りの方に、ご紹介ください
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで
▼HP http://www.techno-producer.com/
▼バックナンバー http://bit.ly/14pZyvz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
090828

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.152

続きを読む

「e発明塾」へ!
e発明塾」サイト開設に伴い、「e発明塾通信」にリニューアルしました!
最新記事
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示