TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.111
TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.111
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■■ TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.111
■
配信数:約6100 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■11月以降の関連イベント
●今回のトピック
・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(1)
★HP http://www.techno-producer.com/
★発明塾~未来のエジソンを育てます http://edison-univ.blogspot.com/
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●今週の一冊
「武器としての決断思考」瀧本哲史
京都大学の人気講義「意思決定論」等で有名な、瀧本氏の著書。本書では
ディベートの基礎をおさらいしながら、意思決定の方法をわかり易く解説。
内容は、
「意見に正しくツッコミを入れる」
ことにより、意見の評価を行い、意思決定に至るという非常に正攻法でわかり
やすいもの。発明塾ではすこし変形して、アイデアの評価に利用している。
大学生向けの平易な本ですので、自分の意見を客観視してロジックを補強し、
完成度と説得力を上げたい新入社員、若手ビジネスパーソンには、特に
お勧めです。
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本メールマガジンは、エンジニアの方々、知財担当者、教育担当者の
方々にちょっとしたお役立ち情報を届けます。
・バックナンバー http://technoproducer.blog84.fc2.com/
お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。
また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方、ぜひ一読
ください。
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
是非ご転送、ご紹介下さい!
お願いします!!!
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★★★ 【定期開催中】「知財教育相談会」~事業で勝てる知財戦略を「実行」するために ★★★
台湾、中国、韓国を中心としたアジア諸国の追い上げが激しい中、全社的な知財活動の重要性が
ますます高まっています。
知財活動の肝は、「当たり前」のことを「当たり前」にやることに尽きます。そのためには、知財が
創出される現場の「技術者」への粘り強い意識付けと、日常の活動を意識した継続的なスキルアップ
が欠かせません。
しかし、知財教育担当者からは「教えてはいるが、現場で実践できていない」「技術者がなかなか
興味を示してくれない」「そもそも、経営層の理解が得られない」という声も多く伺います。
『知財教育相談会』では、効果的なカリキュラム構築やアンケート活用事例、また、実績ある
知財教材を例として取り上げ、経営層にアピールでき、事業活動に貢献できる知財教育について
議論します。
コストではなく、投資としての知財活動、知財教育。知財を事業の「武器」にするための知財教育を
行うべく、弊社は日々取り組んでおります。
企業の『知財教育推進担当者』『人事部門』『企画部門』の皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。
●「知財教育におけるEラーニング活用」、「営業人材向け知財教育の重要ポイント」
~11月22日(木)東京
アンケート/テストの活用により、セミナー以上の効果が期待できることがわかってきたEラーニング。
その具体例とさらなる活用法について、お話いたします。
また、営業人材を対象とした知財教育の具体例について、お話しいたします。
いずれも東京での開催です。
詳細、お申込みは以下URLをご参照ください。
http://www.techno-producer.com/docs/tpc_kyoikusodan_1210.pdf
★★★★★ 【定期開催中】「知財担当者向け知財戦略勉強会」 ★★★★★
現在弊社では、知財担当者が知財戦略について学ぶ「知財戦略勉強会」を定期開催しております。
「知財で負ければ事業もない時代」
「知財は土地。事業という建物を立てる前に、戦略的に確保すべき」
「アジア諸国企業との競争は、技術競争ではなく知財競争になる」
このような強い想いから、本勉強会は始まりました。
これまでテキストとして取り上げてきた丸島儀一氏の「知的財産戦略」に関する討議は7月に終了し、
8月より、小川紘一氏の「国際標準化と事業戦略」を新たにテキストとして取り上げております。
丸島氏の書籍と並んで、知財関係者のみならず、企画や新規事業担当者、研究者が必ず押さえておく
べき本だと、我々は考えています。参加者の皆様が、相互に成長・発展する場を目指して、引き続き、
参加者間で活発に議論を行なっていきます。
原則として、毎月第四金曜日の19:00~21:30、東京都内での開催です。
参加ご希望の方、ご興味お持ちの方は以下までご連絡ください。
折り返し担当者から、詳細につき連絡いたします。
・連絡先 info@techno-producer.com 秋好(あきよし)まで
★★★★★★★★ 【定期開催中】『大阪知財塾』 ★★★★★★★★★★
弊社代表取締役・弁理士の五丁龍志(大阪工業大学知的財産学部客員准教授・漢之光華グループ顧問
兼務)が、大阪で弁理士試験突破を目指す勉強会を行なっています。
これまで2001年から10年超の受験機関(Wセミナー・TAC)での弁理士受験生指導の経験を活かし、
世界経済の中心となりつつある中国・アジアで活躍できる知財専門家、実務家を育成します。
・「大阪知財塾」HP
http://osakachizaijuku.seesaa.net/
個人の方を対象とした毎週土曜日開催の勉強会となります。本格的な学習の場となっております、知財の
専門知識を習得したい方は、ぜひご参加ください。
詳細は以下までお問い合わせください。
・連絡先 IP-seminar@techno-producer.com
///////10月以降の知財関連イベント情報///////
★INPITオープンセミナー「グローバルな知財活用人財」
3回にわたり、今後求められる知的財産人材像や、その育成プランについて講演、意見交換を行う
セミナーです。なお、本セミナーは、日本弁理士会の継続研修の単位として認定されています。
詳細については日本弁理士会へお問い合わせください。
【日 程/内 容】
・第2回 11月6日(火)「富士フイルムのグローバル経営と知財マネジメント」
講演者:富士フイルム株式会社 取締役 執行役員 知的財産本部長
鈴木 俊昭 氏
・第3回 12月11日(火)「技術分野の違いと知財活用モデルの差異」
講演者:知的財産戦略ネットワーク株式会社 代表取締役社長 秋元 浩 氏
インテレクチュアル・ベンチャーズ 日本総代表 加藤 幹之 氏
【時 間】
19:00~20:50(懇親会 21:15~22:15)
【場 所】(全日程)
コンファレンススクエア エムプラス
東京都千代田区丸ノ内2-5-2 三菱ビル10階 グランド
詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.inpit.go.jp/jinzai/suishin/24_seminar.html
★特許情報フェア&コンファレンス2012
最新の特許・情報と知的財産関連の新製品・新技術情報を一堂に網羅する、我が国最大の専門見本市です。
・日 程: 11月7日(水)~9日(金)10:00-17:00
・場 所: 科学技術館(東京 北の丸公園)
詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.business-i.net/event/pif/
無料招待券はこちら
http://www.business-i.net/event/pif/invitation.html
弊社スタッフ一同、11番ブース(弊社代理店:中央光学出版株式会社 ブース)にて、お待ちしております。
会場図はこちら
http://www.business-i.net/event/pif/pdf/guidemap.pdf
★韓国の最新知的財産権制度と侵害対策
特許法改正等、韓国の最新の知的財産事情と法制度、権利侵害への対応等について、セミナーが開催されます。
・日時/会場:
11月13日(火) 東京(ベルサール三田)
11月14日(水) 名古屋(名古屋商工会議所)
11月15日(木) 大阪(大阪YMCA国際文化センター)
各会場とも 10:00開会 17:00閉会 です。
・受講料: 無料
詳細は以下URLをご参照ください。
https://www.jiii.or.jp/apic-seminar/
★日本知財学会 第10回年次学術研究発表会
本年の日本知財学会 学術研究発表会は、
「日本発グローバル知財経営で危機を克服し飛躍的展開へ―日本発、関西発の様々なモデルを提示し挑戦を―」
と題して、大阪工業大学にて開催されます。
・日 程: 12月8日(土)、9日(日)
・場 所: 大阪工業大学 大宮キャンパス(大阪府大阪市旭区大宮)
詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.ipaj.org/workshop/2012/workshop_2012.html
///////10月以降の弊社講師セミナー情報///////
★11月13日「基礎から学ぶ!技術者のための共同研究契約・秘密保持契約のポイント」(五丁)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121166.php
関連記事はこちら
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php#col9
なお、本セミナーは、弊社主催の「第3回知的財産戦略セミナー」にて6月にご講演頂きました
鶴見 隆 先生のセミナー(以下URL参照)とのセット割引が可能です。
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121165.php
★12月4日「これでできる!特許情報からの企業分析~研究開発Grの分析による研究開発動向と
キーマンの把握~」(楠浦)
http://www.science-t.com/st/cont/id/20468
前回セミナーの報告はこちら
http://edison-univ.blogspot.jp/2012/10/blog-post_17.html
★12月6日「かんたん!特許公報の内容把握と特許要約シート作成」(山田)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121262.php
社内で特許情報の共有が進まない、重要特許を回覧しても反応がない・・・等と悩まれている方に。
★12月11日「競争優位の知財戦略の立案、および経営層への提案の仕方~MBA的思考法
-知財戦略の基礎」(秋好)
http://www.ebrain-j.com/cgi-bin/seminar/seminar_detail.cgi?id=20121211-0011&date=201212
経営学のフレームワークを用いて、経営層にもわかりやすい知財戦略の立案、提案法を解説します。
★12月19日「研究開発の成果を「強い特許」にする技術」(山田)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121291.php
技術者が、自分の成果を「会社に貢献する強い特許」にする方法と、その考え方を紹介します。
皆様のご参加を、講師一同心よりお待ちしております。
////////////////////////////
★「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(1)
弊社では、すでに勉強会も含め繰り返し取り上げ済みの本書。しかし、本メールマガジンの読者やお会いする
方々から、
「分厚くて読むのが大変」「ポイントを説明して欲しい」
とのお話を、よく伺います。たしかに、業務と日常生活で忙しい中、全322ページの本書をじっくりと繰り返し
読むことは、なかなか難しいかも知れません。(そもそも持ち歩くのも大変、等)
そこで、今回から本書と「国際標準化と事業戦略」の2冊を取り上げ、そのポイントを解説しながら、皆様と
一緒に読み進めていきたいと思います。ぜひ、お手元に2冊の本をご準備いただき、本メールマガジンをペース
メーカーにして、少しづつ理解を深めていただければと存じます。
初回は「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を取り上げます。まず「はじめに」「目次」と「あとがき」「解説」
を読んでみましょう。読書の基本は、まずこの部分を読んで、全体像とポイントを把握することから始まります。
しっかりと構成を把握し、場合によっては「必要な部分だけ」を読む決断も重要です。
では行きましょう。
知財活動の目的は、本書の「はじめに」冒頭に書かれている、
「時代は移り変わっても、企業経営の本質は変わらず、事業で勝つことにある」
という言葉に集約される。企業が事業で勝つために、知財活動はどうあるべきか。あるいは、具体的にどう
進めていけば良いのか。ヒントはP5中段の「排他権としての強みを生かし、排他権の限界による弱みを解消
する・・・本質は変わらない」という部分にある。
本文中に繰り返し述べられているように、たとえば特許権の本質は「排他権」である。これがほかの財産権
(たとえば土地の所有権)と大きく異るところである。したがって、特許活動の第一の本質は「排他権」で
ある特許を積み重ねて「事実上の独占」状態をいかに作り出すか、ということになる。
しかし、排他権である以上、いかに多数の権利を取得しても「独占」することは出来ない。他社が、自社の
権利範囲内に、さらに限定的な権利を取得することが可能だからである。これが、いわゆる「知財の弱み」
となる。
したがって、特許活動で「守り」に徹しても、実はそもそもの目的である「事業を守る」事はできない、と
いうことになる。他の全てのスポーツや勝負事と同様「攻撃が最大の防御」となる。
では、攻撃とは何か。本文中では「攻めの権利」として解説されている。業界・競合の技術と事業の先を読み、
それに基いて「他社に使わせるための、攻めの」権利を取得し、クロスライセンスを用いて「攻め」で事業を
守る。ここに「情報分析」と「契約と交渉」の重要性が現れてくる。
もう一つ重要な概念は「相対的知財力」である。これは、西口氏(元京セラ社長)の解説に、「事業を強くする」
「三位一体」「攻めと守りの権利」「相対的知財力」「損をしない妥協」と、丸島氏独自のコンセプトとして
挙げられている中の一つである。これを併せて考えれば、事業を開始(参入)する前に、クロスライセンス等を
活用して「弱み」を消しておく、ということになる。自社が事業を開始する前であれば「知財の弱み」は「事業
の弱み」にならない。
「あとがき」にある、「NoをYesに変える」というコンセプトも重要である。他社権利をすべて避けていては、
研究開発の自由度がなくなり、結果として強い事業ができなくなる可能性が高い。分析、先読み、攻めの権利、
相対的知財力、契約・交渉、を通じて「NoをYesに変える」ことが、事業を強くするのである。
こうしてみれば、本書のポイントになる考え方は、すでに「はじめに」「解説」「あとがき」に示されている
ことがよく分かる。
最後に、目次を見ておきましょう。
1章 全て
2章 全て
3章 1,2,3,4,7
4章 1,2,3(攻めと守り)
5章 1
6章 全て(国際標準化)
7章 2(契約)
については、技術・企画など、知財部門以外の方も必ず読んでおくべき部分でしょう。逆に、知財部門の方は、
すでにご存知の内容も多いでしょうから、それぞれの担当職務に関連する部分から読まれてもよいでしょう。
次回は「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を取り上げる予定です。
※注)本連載は、弊社独自の解釈に基づくものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「簡単に手に入るものは、簡単に失われる」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
▼周りの方に、ご紹介ください。転送大歓迎。
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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■■ TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.111
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配信数:約6100 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■11月以降の関連イベント
●今回のトピック
・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(1)
★HP http://www.techno-producer.com/
★発明塾~未来のエジソンを育てます http://edison-univ.blogspot.com/
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●今週の一冊
「武器としての決断思考」瀧本哲史
京都大学の人気講義「意思決定論」等で有名な、瀧本氏の著書。本書では
ディベートの基礎をおさらいしながら、意思決定の方法をわかり易く解説。
内容は、
「意見に正しくツッコミを入れる」
ことにより、意見の評価を行い、意思決定に至るという非常に正攻法でわかり
やすいもの。発明塾ではすこし変形して、アイデアの評価に利用している。
大学生向けの平易な本ですので、自分の意見を客観視してロジックを補強し、
完成度と説得力を上げたい新入社員、若手ビジネスパーソンには、特に
お勧めです。
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本メールマガジンは、エンジニアの方々、知財担当者、教育担当者の
方々にちょっとしたお役立ち情報を届けます。
・バックナンバー http://technoproducer.blog84.fc2.com/
お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。
また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方、ぜひ一読
ください。
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
是非ご転送、ご紹介下さい!
お願いします!!!
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★★★ 【定期開催中】「知財教育相談会」~事業で勝てる知財戦略を「実行」するために ★★★
台湾、中国、韓国を中心としたアジア諸国の追い上げが激しい中、全社的な知財活動の重要性が
ますます高まっています。
知財活動の肝は、「当たり前」のことを「当たり前」にやることに尽きます。そのためには、知財が
創出される現場の「技術者」への粘り強い意識付けと、日常の活動を意識した継続的なスキルアップ
が欠かせません。
しかし、知財教育担当者からは「教えてはいるが、現場で実践できていない」「技術者がなかなか
興味を示してくれない」「そもそも、経営層の理解が得られない」という声も多く伺います。
『知財教育相談会』では、効果的なカリキュラム構築やアンケート活用事例、また、実績ある
知財教材を例として取り上げ、経営層にアピールでき、事業活動に貢献できる知財教育について
議論します。
コストではなく、投資としての知財活動、知財教育。知財を事業の「武器」にするための知財教育を
行うべく、弊社は日々取り組んでおります。
企業の『知財教育推進担当者』『人事部門』『企画部門』の皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。
●「知財教育におけるEラーニング活用」、「営業人材向け知財教育の重要ポイント」
~11月22日(木)東京
アンケート/テストの活用により、セミナー以上の効果が期待できることがわかってきたEラーニング。
その具体例とさらなる活用法について、お話いたします。
また、営業人材を対象とした知財教育の具体例について、お話しいたします。
いずれも東京での開催です。
詳細、お申込みは以下URLをご参照ください。
http://www.techno-producer.com/docs/tpc_kyoikusodan_1210.pdf
★★★★★ 【定期開催中】「知財担当者向け知財戦略勉強会」 ★★★★★
現在弊社では、知財担当者が知財戦略について学ぶ「知財戦略勉強会」を定期開催しております。
「知財で負ければ事業もない時代」
「知財は土地。事業という建物を立てる前に、戦略的に確保すべき」
「アジア諸国企業との競争は、技術競争ではなく知財競争になる」
このような強い想いから、本勉強会は始まりました。
これまでテキストとして取り上げてきた丸島儀一氏の「知的財産戦略」に関する討議は7月に終了し、
8月より、小川紘一氏の「国際標準化と事業戦略」を新たにテキストとして取り上げております。
丸島氏の書籍と並んで、知財関係者のみならず、企画や新規事業担当者、研究者が必ず押さえておく
べき本だと、我々は考えています。参加者の皆様が、相互に成長・発展する場を目指して、引き続き、
参加者間で活発に議論を行なっていきます。
原則として、毎月第四金曜日の19:00~21:30、東京都内での開催です。
参加ご希望の方、ご興味お持ちの方は以下までご連絡ください。
折り返し担当者から、詳細につき連絡いたします。
・連絡先 info@techno-producer.com 秋好(あきよし)まで
★★★★★★★★ 【定期開催中】『大阪知財塾』 ★★★★★★★★★★
弊社代表取締役・弁理士の五丁龍志(大阪工業大学知的財産学部客員准教授・漢之光華グループ顧問
兼務)が、大阪で弁理士試験突破を目指す勉強会を行なっています。
これまで2001年から10年超の受験機関(Wセミナー・TAC)での弁理士受験生指導の経験を活かし、
世界経済の中心となりつつある中国・アジアで活躍できる知財専門家、実務家を育成します。
・「大阪知財塾」HP
http://osakachizaijuku.seesaa.net/
個人の方を対象とした毎週土曜日開催の勉強会となります。本格的な学習の場となっております、知財の
専門知識を習得したい方は、ぜひご参加ください。
詳細は以下までお問い合わせください。
・連絡先 IP-seminar@techno-producer.com
///////10月以降の知財関連イベント情報///////
★INPITオープンセミナー「グローバルな知財活用人財」
3回にわたり、今後求められる知的財産人材像や、その育成プランについて講演、意見交換を行う
セミナーです。なお、本セミナーは、日本弁理士会の継続研修の単位として認定されています。
詳細については日本弁理士会へお問い合わせください。
【日 程/内 容】
・第2回 11月6日(火)「富士フイルムのグローバル経営と知財マネジメント」
講演者:富士フイルム株式会社 取締役 執行役員 知的財産本部長
鈴木 俊昭 氏
・第3回 12月11日(火)「技術分野の違いと知財活用モデルの差異」
講演者:知的財産戦略ネットワーク株式会社 代表取締役社長 秋元 浩 氏
インテレクチュアル・ベンチャーズ 日本総代表 加藤 幹之 氏
【時 間】
19:00~20:50(懇親会 21:15~22:15)
【場 所】(全日程)
コンファレンススクエア エムプラス
東京都千代田区丸ノ内2-5-2 三菱ビル10階 グランド
詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.inpit.go.jp/jinzai/suishin/24_seminar.html
★特許情報フェア&コンファレンス2012
最新の特許・情報と知的財産関連の新製品・新技術情報を一堂に網羅する、我が国最大の専門見本市です。
・日 程: 11月7日(水)~9日(金)10:00-17:00
・場 所: 科学技術館(東京 北の丸公園)
詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.business-i.net/event/pif/
無料招待券はこちら
http://www.business-i.net/event/pif/invitation.html
弊社スタッフ一同、11番ブース(弊社代理店:中央光学出版株式会社 ブース)にて、お待ちしております。
会場図はこちら
http://www.business-i.net/event/pif/pdf/guidemap.pdf
★韓国の最新知的財産権制度と侵害対策
特許法改正等、韓国の最新の知的財産事情と法制度、権利侵害への対応等について、セミナーが開催されます。
・日時/会場:
11月13日(火) 東京(ベルサール三田)
11月14日(水) 名古屋(名古屋商工会議所)
11月15日(木) 大阪(大阪YMCA国際文化センター)
各会場とも 10:00開会 17:00閉会 です。
・受講料: 無料
詳細は以下URLをご参照ください。
https://www.jiii.or.jp/apic-seminar/
★日本知財学会 第10回年次学術研究発表会
本年の日本知財学会 学術研究発表会は、
「日本発グローバル知財経営で危機を克服し飛躍的展開へ―日本発、関西発の様々なモデルを提示し挑戦を―」
と題して、大阪工業大学にて開催されます。
・日 程: 12月8日(土)、9日(日)
・場 所: 大阪工業大学 大宮キャンパス(大阪府大阪市旭区大宮)
詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.ipaj.org/workshop/2012/workshop_2012.html
///////10月以降の弊社講師セミナー情報///////
★11月13日「基礎から学ぶ!技術者のための共同研究契約・秘密保持契約のポイント」(五丁)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121166.php
関連記事はこちら
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php#col9
なお、本セミナーは、弊社主催の「第3回知的財産戦略セミナー」にて6月にご講演頂きました
鶴見 隆 先生のセミナー(以下URL参照)とのセット割引が可能です。
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121165.php
★12月4日「これでできる!特許情報からの企業分析~研究開発Grの分析による研究開発動向と
キーマンの把握~」(楠浦)
http://www.science-t.com/st/cont/id/20468
前回セミナーの報告はこちら
http://edison-univ.blogspot.jp/2012/10/blog-post_17.html
★12月6日「かんたん!特許公報の内容把握と特許要約シート作成」(山田)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121262.php
社内で特許情報の共有が進まない、重要特許を回覧しても反応がない・・・等と悩まれている方に。
★12月11日「競争優位の知財戦略の立案、および経営層への提案の仕方~MBA的思考法
-知財戦略の基礎」(秋好)
http://www.ebrain-j.com/cgi-bin/seminar/seminar_detail.cgi?id=20121211-0011&date=201212
経営学のフレームワークを用いて、経営層にもわかりやすい知財戦略の立案、提案法を解説します。
★12月19日「研究開発の成果を「強い特許」にする技術」(山田)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC121291.php
技術者が、自分の成果を「会社に貢献する強い特許」にする方法と、その考え方を紹介します。
皆様のご参加を、講師一同心よりお待ちしております。
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★「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(1)
弊社では、すでに勉強会も含め繰り返し取り上げ済みの本書。しかし、本メールマガジンの読者やお会いする
方々から、
「分厚くて読むのが大変」「ポイントを説明して欲しい」
とのお話を、よく伺います。たしかに、業務と日常生活で忙しい中、全322ページの本書をじっくりと繰り返し
読むことは、なかなか難しいかも知れません。(そもそも持ち歩くのも大変、等)
そこで、今回から本書と「国際標準化と事業戦略」の2冊を取り上げ、そのポイントを解説しながら、皆様と
一緒に読み進めていきたいと思います。ぜひ、お手元に2冊の本をご準備いただき、本メールマガジンをペース
メーカーにして、少しづつ理解を深めていただければと存じます。
初回は「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を取り上げます。まず「はじめに」「目次」と「あとがき」「解説」
を読んでみましょう。読書の基本は、まずこの部分を読んで、全体像とポイントを把握することから始まります。
しっかりと構成を把握し、場合によっては「必要な部分だけ」を読む決断も重要です。
では行きましょう。
知財活動の目的は、本書の「はじめに」冒頭に書かれている、
「時代は移り変わっても、企業経営の本質は変わらず、事業で勝つことにある」
という言葉に集約される。企業が事業で勝つために、知財活動はどうあるべきか。あるいは、具体的にどう
進めていけば良いのか。ヒントはP5中段の「排他権としての強みを生かし、排他権の限界による弱みを解消
する・・・本質は変わらない」という部分にある。
本文中に繰り返し述べられているように、たとえば特許権の本質は「排他権」である。これがほかの財産権
(たとえば土地の所有権)と大きく異るところである。したがって、特許活動の第一の本質は「排他権」で
ある特許を積み重ねて「事実上の独占」状態をいかに作り出すか、ということになる。
しかし、排他権である以上、いかに多数の権利を取得しても「独占」することは出来ない。他社が、自社の
権利範囲内に、さらに限定的な権利を取得することが可能だからである。これが、いわゆる「知財の弱み」
となる。
したがって、特許活動で「守り」に徹しても、実はそもそもの目的である「事業を守る」事はできない、と
いうことになる。他の全てのスポーツや勝負事と同様「攻撃が最大の防御」となる。
では、攻撃とは何か。本文中では「攻めの権利」として解説されている。業界・競合の技術と事業の先を読み、
それに基いて「他社に使わせるための、攻めの」権利を取得し、クロスライセンスを用いて「攻め」で事業を
守る。ここに「情報分析」と「契約と交渉」の重要性が現れてくる。
もう一つ重要な概念は「相対的知財力」である。これは、西口氏(元京セラ社長)の解説に、「事業を強くする」
「三位一体」「攻めと守りの権利」「相対的知財力」「損をしない妥協」と、丸島氏独自のコンセプトとして
挙げられている中の一つである。これを併せて考えれば、事業を開始(参入)する前に、クロスライセンス等を
活用して「弱み」を消しておく、ということになる。自社が事業を開始する前であれば「知財の弱み」は「事業
の弱み」にならない。
「あとがき」にある、「NoをYesに変える」というコンセプトも重要である。他社権利をすべて避けていては、
研究開発の自由度がなくなり、結果として強い事業ができなくなる可能性が高い。分析、先読み、攻めの権利、
相対的知財力、契約・交渉、を通じて「NoをYesに変える」ことが、事業を強くするのである。
こうしてみれば、本書のポイントになる考え方は、すでに「はじめに」「解説」「あとがき」に示されている
ことがよく分かる。
最後に、目次を見ておきましょう。
1章 全て
2章 全て
3章 1,2,3,4,7
4章 1,2,3(攻めと守り)
5章 1
6章 全て(国際標準化)
7章 2(契約)
については、技術・企画など、知財部門以外の方も必ず読んでおくべき部分でしょう。逆に、知財部門の方は、
すでにご存知の内容も多いでしょうから、それぞれの担当職務に関連する部分から読まれてもよいでしょう。
次回は「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を取り上げる予定です。
※注)本連載は、弊社独自の解釈に基づくものです。
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「簡単に手に入るものは、簡単に失われる」
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★コラム:ビジネスと知財
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