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TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.149

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.149
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■■    TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.149


配信数:約6700 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■4月以降の関連イベント

●今回のトピック
・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(17)

・弊社知財教育「技術者契約コース」のご紹介
 ~「産学連携」「オープンイノベーション」に対応できる人材を!


★「発明塾」とは? http://bit.ly/11G9VJH
「発明塾」は、弊社の登録商標です。

★「ダントツの発明力と知財力」のために~TechnoProducerの知財教育を!
 ご利用者の声~ http://bit.ly/PJyPIn

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●今週の一冊
「希望の教育学」P.フレイレ

弊社では、知財の専門知識だけではなく、教育学や学習科学、認知心理学等に
ついても、古典~最新理論まで常にフォローし、サービス開発に役立てています。

今回は、サンパウロ市長として公教育改革に取り組み、伝達中心の教育ではなく、
学び手の主体性を重んじた、「対話型教育」を説き続けたフレイレの代表的著作を。


「繰り返して言わざるをえないのだが、教えるということは、教師が、従順で
受動的な生徒に対して、機械的に知識を伝達するだけのものではない。と同時に、
これもまたくり返し言わなければならないのだが、生徒がもっている知識から
出発する、ということは、その生徒の知識のまわりを這いまわることを意味して
いるのではない。出発するということは、道をひらいて、そこを歩むということ」

「既有の経験知から出発するのは、それを超えるためであって、そこにとどまる
ためではない」


生徒の既存知識から出発し、それを超えて、行動に変化をもたらすのが教育だ、
というのが、彼の主張である。

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本メールマガジンは、技術者の方々、知財担当者、人材育成/教育担当者の方々に、
ちょっとしたお役立ち情報を、お届けいたします。

お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。


また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成をご担当の方、技術者の方、若い部下をお持ちの方に、ご一読
いただきたく。

★コラム「ビジネスと知財」 http://bit.ly/14Qz60f


お知り合いの方、知財部門の方、技術者の方、企画部門・人事教育部門の方に、
ぜひご転送、ご紹介ください!

お願いします!!!



★★★★★★★★★★ 【定期開催中】『知財塾』 ★★★★★★★★★★★★★★


弊社取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華グループ
顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、勉強会を行っております。

・「知財塾」HP
 http://bit.ly/1a34We3

より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行います。

・「知財力育成のための事例分析」
 http://bit.ly/12VMaSY


参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 IP-seminar@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti



/////////5月以降の知財セミナー情報///////////////


★(大阪)(広島)弊社講師セミナー(大阪発明協会、広島発明協会と各共催)

・【大阪】5月21日「実験結果から特許とな る『発明』を抽出するスキル
                ~発明把握と『アイデアシート作成』」(秋好)

 自らの実験結果を、特許になる発明にとらえ直すスキルを伝授します!

(1)こんなことでお困りではありませんか?
 ① 技術者自身が発明したことに気付かず、せっかくの発明が埋没してしまっている。
 ② 発明をしたことに気がついても、その発明の本質を、とらえることができていない
  ために、事業への貢献度の低い特許しか、取得できていない。
 ③ 公知技術との差別化された「発明提案書」を、作成することができない。

(2)「技術者向け発明力向上プログラム」はここがちがう!
 ① 発明の生まれる仕組みから、理解して頂きます。
 ② あらかじめ用意した実験結果を用いて、発明の本質をとらえる練習ができます。
 ③ 公知技術との差別化ができる発明としたうえで、発明提案書に仕上げる「手順」と
  「考え方」を、身に付けて頂きます。

(3)セミナー受講の効果
 ①「実験結果」から、アイディアを展開し、発明を拡大できる!
 ②「特許性のある発明要素」を正確に捉え、事業に役立つ「強い特許」を生み出す
  ことができる!
 ③ 公知技術との差別化が十分になされた、「発明提案書」を作成することができる
  ようになる!

 セミナー内容詳細は、以下参照ください
 http://bit.ly/1dPoq9D


・【広島】5月29日「技術に携わる人のための、ケースで学ぶ契約入門
              ~共同研究でモメないための基礎知識」(橋本)

 共同研究を、安全かつ円滑に進めるための基礎知識を、具体的な事例を元に学ぶ!

(1)こんなことでお困りではありませんか?
 ① 過去に共同研究先と契約を巡ってトラブルになったことがある。
 ② 共同研究の際の契約を適切に締結できているか不安を感じることがある。
 ③ 共同契約相手とある程度協議を進めた後に、法務部門から「その契約は認められない」
  と言われ、 板挟みになったことがある。

(2)「技術者向け発明力向上プログラム」はここがちがう!
 ① 技術者が安心して対外的な関係を構築できる、基礎的な知識をわかりやすく解説
 ② 共同契約をはじめとする「3つの典型的ケース」が題材
 ③ トラブルが生じやすい「危険ポイント」、明確に決めるべき「必須ポイント」に注目

(3)セミナー受講の効果
 ① 共同研究において、陥りやすいトラブルを予見、回避できるようになる!
 ② 大学や先生との関係を円滑に進め、成果を出すことに集中できる!
 ③ 研究開発における対外的なやり取りを、自信を持って推進できるようになる!

 セミナー内容詳細は、以下参照ください
 http://bit.ly/1isz2GI



★(大阪)「丸島ゼミ」開催
本年も、全6回で「丸島ゼミ」が開催されます。「キヤノンvsゼロックス」の普通紙コピー機
戦争の最前線に立ち、「キヤノン特許部隊」を率いておられた丸島氏に、「直接」「じっくり」
指導を受けることができる、貴重な機会です。

詳細は、以下参照ください
http://bit.ly/QO0VmO



★(東京)【技術者向け】弊社推奨セミナー「エキスパートにきく!」
弊社メンバーが参加し、「面白かった!」と感想を寄せてくれたセミナーの第3弾が、
以下の通り開催されます。


・5月16日【エキスパートにきく!】第3回「発明・技術・アイデアを事業に繋げるスキル」
http://bit.ly/1nybCaN

ベテランエンジニアの方の経験を、座談会形式で”ざっくばらん”に伺うセミナーです。
費用は2000円、時間も17:30-19:00と、いずれも手軽です。


今回の講師は、元NHK放送技術研究所 主任研究員 河合 輝男 氏 です。

ハイビジョン、デジタル放送技術の研究をはじめ、次世代単色X線診断・治療システム、
脳腫瘍等手術支援システム(HivisCAS)、超高速CCDカメラ、メガネなし3Dシステム、
遠隔医療、X線回折によるたんぱく質の構造解析システム、細胞のリアルタイム観察技術、等
多数の技術開発に、成功されています。


ちなみに、講演後の「座談会」の話題は、以下を予定されています。面白そうですね。

 ―事業に繋がる技術・発明・アイデアとは
 ―ビジネスモデルを描こう
 ―プロジェクトを成功させるポイント
  ~プロジェクトを自分で企画し、メンバーを集める~
 ―多くの知友を得た交流の心得


若手技術者の方、新規テーマ探索をご担当の方、ぜひ、ヒント探しに「ぶらりと」来られては
いかがでしょうか?(時間も17:30からですしね)


弊社では今後も、「実際に参加してみて良かった」セミナーについて、情報発信します。



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★★「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(17)

前回(16)では、「第三者の特許権を認識した研究開発活動」について、

(1)先行特許を回避する一方の技術開発は、本来、その企業や研究者が持つ「技術力」と
   「頭脳」を活かすことが出来ず、成果につながらない

(2)問題特許を、開発/事業化に先立ち、いかに解決していくか。これが知財部門の
   活動のなかで、一つの大きなポイントとなる

(3)「先行特許を気にせず」「安心して自由に」研究を行える環境を整えることこそ、
    知財の仕事であり、それにより「研究の成果」「技術」がより良いものになる

(4)知財の仕事の本質は「頭脳と技術の価値/成果の最大化」であり、それこそが
   「事業のための知財」である

ことを、学んだ。


・「知的財産戦略」(丸島儀一 著)を読む(16)~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.147
 http://bit.ly/1hGDAJr


今回は、「アライアンス」がテーマである。

産学連携を含めた「共同研究開発」が、ますます盛んになる中、「アライアンスにおける
知財の取り扱い」は、重要なトピックになっている。弊社にも、常に多くの相談が寄せら
れている。


(1)「最初は仲間」でも、「終われば敵」となると思え

アライアンスにおいて、まず気を付けなければいけない点は、「利害関係の対立」である。

「共同研究開発においては、最初に将来の事業化に支障がないように成果の取り決めを
しておく。共同研究開発が進行している間は”仲間”であっても、完成後は利害が対立
することが多いためである」P91

とあるように、成果が出れば出るほど、終了後に利害関係が対立する傾向にある。
(そもそも、成果が出なければ、対立することはない)

「特に、研究者は技術のことのみを考え、技術の完成だけを目指して共同研究をしようと
することもある。技術の完成も、もちろん大事だが、完成後に自社で事業ができなければ
共同研究をする意味がない」P91

共同研究開発の目的は、「自社で事業化する」ことであり、それに支障のない取り決めを、
「事前に」しておくことが重要である。


(2)「成果の取り決め」~焦点は「既存技術」の取り扱い

成果の取り決めで、重要なことは「既存技術の定義と取扱い」であることも、重要な注意点
である。

「成果の取り決めにおける要点の一つが、既存技術の扱いである。取り決めの如何によっては、
既存技術を相手に持って行かることもあるし、共同研究の成果を事業に使えないこともある
ため、これには十分注意する必要がある」P91

本文から、事例を見てみよう。

「たとえば、A社がαという技術を持っており、それにプラスするγという技術をB社と共同で
研究し、α+γという技術を開発した」P91

場合、A社とB社で、どのような契約(たとえばライセンス契約)を結べばよいか、を考える。


「この時に、開発した技術全体を研究成果と定義し、A社がB社に研究成果をエクスクルーシブ
(独占的)で渡して、その対価を受け取る契約を結ぶと、A社の既存技術であったαもB社に渡す
ことになる。A社は今後αの研究ができなくなる」P91

安易に、技術全体を一括でライセンス対象としてはいけない、ということである。

「では、共同開発したγだけを研究成果と定義して、やはりA社がB社にエクスクルーシブで
渡す契約をしたらどうなるか。A社の既存技術であるαが抜けるために、B社は完成したα+γの
技術を使った事業ができない」P91-92


(3)ではどうすればよいのか?

双方にメリットがある条件として、本書では以下を挙げている。

「まず、αを除くγだけを共同開発の成果とし、A社はB社にエクスクルーシブで出す。そして、
A社の既存技術であるαは、今回の共同開発の成果部分とともに使う目的に対してのみ、B社に
ノンエクスクルーシブで出す。このようにすれば、双方とも共同開発の結果としての利益を
得られる」P92


このように整理すれば、一見当たり前のように思える内容だが、実際の契約書作成において、
技術を定義することは極めて煩雑な作業であるため、安易に考えがちである。そういう意味でも、
既存技術としての「共同研究開発前の特許出願内容」が、極めて重要となってくるのでは、
ないでしょうか。

キヤノンが「論文よりも特許を出す」「まず特許を出す」ことを重視している理由が、ここにも
ありそうです。


次回も引き続き、アライアンスを巡る注意点を見ていく。



※注1)図、ページ数等は、第1刷に基づきます。
※注2)本連載は、弊社独自の解釈に基づくものです。




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TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.148

TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.148
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■■    TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.148


配信数:約6700 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
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■4月以降の関連イベント

●今回のトピック
・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(16)

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●今週の一冊
「ラッセル幸福論」B. ラッセル

少し堅苦しい本が続きますが、新入社員の方へのメッセージも含め。

①外界への興味、外的な訓練こそ幸福へ至る唯一の道である。
②自らの創意工夫により、周囲の環境から楽しみを引き出すことが重要である。
そして、実りある単調さに耐える必要がある。
③今日最も幸福なのは、科学者である。科学者は自らの能力を最大限に発揮する
活動に従事している。

④関心を寄せるものが多ければ多いほど、幸せに過ごすことができる。日々を
満たすに足りるだけのいくつかのことに関心を持つことが重要である。必要な
ものは熱意である。
⑤中庸、バランスが重要である。ひとつの事柄に熱中して他のことに支障が
出ないようにしなければならない。私たちの趣味や欲望は、全体的に人生の枠の
中におさまるものでなければならない。
⑥健康とエネルギー、おもしろいと思える仕事が必要である。

⑦与えあうことが重要である。人は手段としてではなく、目的として扱われる
べきである。
⑧重要な建設的な仕事は、憎しみを忘れさせてくれる。
⑨自己没頭、自己中心性は不幸の素である。客観的で、自由な愛情と広い興味を
持つことが幸福への道である。


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★★★★★★★★★★ 【定期開催中】『知財塾』 ★★★★★★★★★★★★★★


弊社代表取締役・弁理士の 五丁(大阪工業大学 知的財産学部 客員准教授・漢之光華
グループ顧問※兼務)が、世界で活躍できる「知財のプロ」を目指す方々と、勉強会を
行っております。

・「知財塾」HP
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より実践/実戦的な内容とするため、事例研究も行います。

・「知財力育成のための事例分析」
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参加ご希望、詳細は、以下までお問い合わせください。
・連絡先 IP-seminar@techno-producer.com


※ 漢之光華グループHP http://bit.ly/1702oti



/////////4月以降の知財セミナー情報///////////////


★弊社講師セミナー

・【大阪】5月21日「実験結果から特許とな る「発明」を抽出するスキル」
           ~「発明把握」と「アイデアシート作成」~(秋好)
 自らの実験結果を、特許になる発明にとらえ直すスキルを伝授!

(1)こんなことでお困りではありませんか?
 ① 技術者自身が発明したことに気付かず、せっかくの発明が埋没してしまっている。
 ② 発明をしたことに気がついても、その発明の本質を、とらえることができていない
  ために、事業への貢献度の低い特許しか、取得できていない。
 ③ 公知技術との差別化された「発明提案書」を、作成することができない。

(2)「技術者向け発明力向上プログラム」はここがちがう!
 ① 発明の生まれる仕組みから理解して頂きます。
 ② 予め用意した実験結果を用いて、発明の本質をとらえる練習することができます。
 ③ 公知技術との差別化ができる発明としたうえで、発明提案書に仕上げる「手順」と
  「考え方」を、身に付けて頂きます。

(3)セミナー受講の効果
 ①「実験結果」から、アイディアを展開し、発明を拡大できる!
 ②「特許性のある発明要素」を正確に捉え、事業に役立つ「強い特許」を生み出す
  ことができる!
 ③ 公知技術との差別化が十分になされた、「発明提案書」を作成することができる
  ようになる!

 セミナー内容詳細は、以下参照ください
 http://bit.ly/1dPoq9D


★弊社推奨セミナー
弊社メンバーが参加し、ズバリ「面白かった!」セミナーの第2弾が、以下の通り
開催されます。

その名も

「エキスパートにきく!」

ベテランエンジニアの方の経験を、座談会形式で”ざっくばらん”に伺うセミナーです。
費用は3000円、時間も17:00-18:30と、いずれも手軽です。

・4月22日「【エキスパートにきく!】第2回技術者が特許と上手く付き合う方法」
 http://bit.ly/NINcM5

若手技術者の方に、いかがでしょうか?

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★★「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(16)

前回(15)では、部品/モジュールメーカーの打ち手のポイントが、

①市場が成長する段階で、モジュラー化を仕掛け、自社モジュール以外へ競合参入と独立した技術進化を
可能とし、完成品の低価格化と大量普及を加速し、

②合わせて、自社モジュールでの独占を維持するための仕掛けを徹底し(Intelの場合には、複数のバス
ブリッジで技術仕様を巧妙にブラックボックス化)、

③これらを、自社以外が完成品の技術進化を主導できなくなるように、徹底的に、かつ素早く行い

④あわせて、自社モジュールの上流を無力化する(Intelの場合は、製造設備とウエハーの標準化)

ことであり、

これらの打ち手に従い「何を発明し、権利化すべきか」を議論し、発明創出活動、権利化活動に
落とし込んで行くと、日々の「”戦略的”知財活動」となる

ことを学んだ。そして、

「自社技術の価値を、知財と標準化という”最強のレバレッジ”ツールを用いて最大化し、普及させ、
世界を変えていく」

企業を「イネーブラー」と定義した。

・「国際標準化と事業戦略」(小川紘一 著)を読む(15)~TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.146
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-159.html


今回は、第3世代携帯電話のイネーブラー、クアルコムの事例を取り上げる。これも「国際標準化と
事業戦略」勉強会のケーススタディを基に、一部、立命館大学での講義内容、発明塾での討議内容を交え
見て行きたい。

携帯電話業界に詳しくない方のためにも、話を第2世代の携帯電話業界の状況から始めたい。



1.2000年頃の第2世代携帯電話をとりまく状況
1999年において、AMPS(Advanced Mobile Phone Service)携帯のシェアはNokiaとMotorolaがほぼ独占していた。

「1998年の携帯電話の総販売数 1億6300万台のうち、Nokiaの製品は22.9%、Motorolaは19.8%であり、
1999年のNokiaの世界市場シェアは27%」(弊社ケーススタディより)

であった。

通信規格についても、第2世代携帯電話で用いられる「D-AMPS」「GSM」「PDC」規格は、NokiaやEricssonが主導した
もので、まさに両者は、第2世代の携帯電話において、規格と事業の双方を牽引する世界最大の携帯電話メーカーで
あった。

つまり、第2世代携帯電話の世界は、いわゆる「垂直統合企業による寡占市場」であった。



2.Qualcommの設立とCDMA技術の開発
1985年に創業されたQualcommは、CDMAが今後の要求に応えることができる唯一の技術であると考え、積極的な研究開発を
行った。しかし、1993年にCDMAが標準規格として認められた後も、サービスを実際に提供するためには、基地局を含めた
ネットワークの構築からサービスエリアの整備、そしてユーザーへ多くの端末を提供しなければならない、という大きな
課題が残っていた。

そこで1994年にソニーとクアルコム・パーソナル・エレクトロニクスという携帯電話端末(以下携帯端末)企業を合弁で
設立し、自ら携帯端末メーカーとなり通信業者へ商品を納めることとした。さらにネットワークシステムの開発と製造も
行うことに決めた。

このようにQualcommも、1998年までは技術開発、通信用半導体、携帯電話、基地局等、サービス提供に必要な要素を全て
自社で行う企業であった。

つまり2000年以前は、携帯電話業界自体が「垂直統合」の業界であり、知財戦略面では「上位企業のクロスライセンス」
による寡占構造の業界であった。

これは、第2世代の携帯電話に用いられていた技術が「アナログ通信」技術であり、基地局/ネットワークと携帯端末
に、技術的なすり合わせが必要であったことも、要因である。詳細は、「国際標準化と事業戦略」(小川)14章の
3.を参照されたい。


ここまでの話から、よく話題になる「知財戦略はどう決めるべきなのか」ということに対する、ひとつの答えが出る。


たとえば今回の第2世代の携帯電話の事例で言うと

「技術の特性」が市場構造=事業戦略を決め、その「市場構造」を知財戦略で確実なものにする

ということになる。市場構造は、単に競合のみならず、バリューチェーンの概念も含む。もう少し噛み砕くと、

「アナログ」⇒「垂直統合」⇒「寡占」⇒「上位でクロス」により業界構造を固定し高収益化(ROIの極大化)

ということである。「特許」というと「独占」という”先入観”があるが、たとえばCANONが高収益を得るために
事務機業界で行ったことを、綿密に分析すれば「寡占市場が安定して儲かる」ことは明らかである。これは
ひとつには、ロイヤリティーの集積(Loyalty Stacking)が参入障壁になるためである。

ちなみに、Qualcommは自らの事業モデルを「Loyalty Stackingを解消し、業界への新規参入を促進し、より低価格
かつ高速通信可能な携帯電話を、世界中に一日でも早く普及させる」ためのもの、と定義している。

つまり、携帯電話における第2世代と第3世代の戦いは、「技術の普及」と「投資の回収」を巡って「業界構造を
どうするか」という戦いであり、そのために互いに「知財戦略を駆使」したのである。


話を元に戻そう。

一時よく言われた「三位一体」のような、”あいまいなスローガン”から抜け出し、

「何からどう、具体的にかつ順番に決めていくか」

という「正しい問い」に基づいて先行事例と周辺環境を考察し、自社の事業参入/技術選定/知財戦略に、落とし
込むのが、知財部門の仕事であり、「知財戦略の立案」である。また、教育や日々のコミュニケーションを通じて、
その活動に研究者や事業部門のメンバーに、協力してもらえる体制を作ることが、もう一つの、知財部門の重要な
仕事である。



3.第3世代=「デジタル携帯電話」の時代
しかし、1999年に3G基本技術がCDMA方式を採用することに決まると同時に、Qualcommは経営方針を大きく転換させる。

「技術開発、半導体事業に特化し、1999年に基地局事業をエリクソン、携帯端末事業を京セラに売却」

した。その理由はいろいろあるが、技術と事業の観点から見ると、

「CDMAの市場がアジアや米国で立ち上がり多くのメーカーが基地局や携帯電話を提供する状況になったため、自社で
全てを行う必要がなくなったのである。さらにモバイルのようなスピードの早い市場で大量生産を行うには短い期間で
新しい施設を建設し続けなければならず、最新の技術を常に反映し続けることが困難」

だからと言える。それにより、

「研究開発に特化することで、自社の新しい技術を、常に多くのユーザーに提供し続けることが可能」

となり、

「Qualcommは、継続的に研究開発へ再投資する”循環型ビジネスモデル”で、急激に売り上げと利益を伸ばして」

いった。その後、研究開発に経営資源を集中したQualcommは、

「第3世代移動通信システム”W-CDMA””CDMA2000”の標準化と技術革新を、常に主導していく」

ことになる。


次回は、Qualcommの現在の戦略を分析し、「イネーブラー」を目指す企業が打つべき手について、さらに詳しく見て
いきたい。



※注1)図、ページ数等は、第2刷に基づきます。

※注2)本稿は、弊社が主催する「国際標準化と事業戦略研究会」の研究成果に基づくものです。無断転載、
引用を禁止します。研究会では、本書には取り上げられていない様々な業界の、知財戦略/標準化戦略を
駆使した事業戦略はどうあるべきか、今後も事例研究を進め、学会等で発表する予定です。お楽しみに。

※注3)小川先生の最新刊として「オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件」が発売されました。
    http://bit.ly/1eM3azn


※注4)今回の取り上げた2000年前後の状況は、立命館大学で年に1度、講義資料として取り上げている、

・NHKスペシャル「世紀を超えて」 世界 ビッグパワーの攻防 第2集 特許で世界を制覇せよ
解説記事の例:http://bit.ly/PumN5V

に詳しい。また、立命館大学/同大学院での講義内容についてご興味をお持ちの方は、以下ご参照ください。

・立命館大学MOT大学院 第5回講義を終えて~クアルコムが携帯電話業界の覇者になるまで
http://edison-univ.blogspot.jp/2013/07/mot.html

・立命館大学MOT大学院特別講義「クアルコムは如何に携帯電話市場を制覇したか」開催報告
http://edison-univ.blogspot.jp/2013/07/mot_28.html




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弊社スタッフが経験した実際の事例、大学・企業等教育現場での豊富な経験/実績と、弊社独自の教育
ノウハウにより、御社の発明力と知財力を確実に向上、事業に貢献する知財活動の実践につなげます。

各種実績および、これまでにお寄せいただきました「お客さまの声」を、以下にまとめました。

・外部講演/セミナー等の実績
http://www.techno-producer.com/case/seminar.html

・「お客さまの声」
http://www.techno-producer.com/voice/


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