TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.89
TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.89
--------------------------------
■■■
■■ TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.89
■
配信数:約5900 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
--------------------------------
■12月以降の関連イベント
●今回のトピック
・企業活動における知財マネジメントの重要性
★HP http://www.techno-producer.com/
--------------------------------
●「アイデアはいかに生まれるか」後藤 尚久
既に本メールマガジンでは、発想や発明に関する多くの本を紹介いたしまし
たが、手軽かつエッセンスが詰まっている本、ということで、本書を紹介いた
します。
「常識を疑うこと」
「人と異なったことをすることに、違和感を持たないこと」
利根川進氏の言葉から始まる本書は、ハウツーと言うよりは「心構え」を
説く部分が多い。
「天才が凡人と違うところは、全身全霊で仕事に打ち込み、生涯にわたって
高い生産性を維持すること・・・目標に向かって集中できるのが天才」
では、何かに集中するための秘訣は?
「他の一切を犠牲にすること」
だそうである。極めて明快である。
皆様も新年の目標は、ズバリ「XXXを捨てる」にされてはいかがでしょうか?
日本人は十分独創的になりうる、とする本書は今の日本の閉塞状況を打破する
ための処方箋でもある。
ぜひ、ご一読を。
--------------------------------
本メールマガジンは、エンジニアの方々、知財担当者、教育担当者の
方々にちょっとしたお役立ち情報を届けます。
・バックナンバー http://technoproducer.blog84.fc2.com/
お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。
また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成にあたられている方、技術者の方、若い部下をお持ちの方、ぜひ、
ご一読ください。
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
お知り合いの方、知財部門の方や技術者の方に、是非ご転送、ご紹介下さい!
お願いします!
★★★ 弊社主催「若手知財担当者向け知財戦略勉強会」開催 ★★★
弊社では、丸島儀一氏の「知的財産戦略」をテキストに、若手知財担当者が知財戦略に
ついて学ぶ「勉強会」を定期開催いたします。参加ご希望の方、ご興味お持ちの方は
以下までご連絡ください。折り返し担当から、詳細につき連絡いたします。
・連絡先 info@techno-producer.com 秋好(あきよし)まで
★★★ 弊社主催「知財教育相談会」~社員にいかにして知財に興味をもたせるか?開催 ★★★
企業の知財教育推進担当者を対象とした『知財教育相談会』を開催いたします。
敬遠されがちな知財教育について、いかに興味をもたせるか、効果を最大化する知財教育のポイント
について、具体的な成功事例を紹介いたします。
・12月22日(木)東京開催 「発明者向けの特許情報検索入門教材」、「知財教育の効果測定」
・1月13日(金)東京開催 「R&D人材を対象とした体系的知財教育カリキュラムの構築」、
「知財教育におけるEラーニング活用」
詳細、お申し込みはこちら。
http://www.techno-producer.com/docs/tpc_kyoikusodan_1111.pdf
///////12月以降の関連イベント情報///////
★弊社主催「経営に活かす知的財産」セミナー~大阪・東京で開催決定!
この度、大阪工業大学大学院知的財産研究科のご協力を戴き、表記セミナーを開催することと
なりました。
今回は講師として、元キャノン渉外センター長で現大阪工業大学知的財産学部学部長、
大阪工業大学大学院知的財産研究科長の田浪和生先生と、元ミノルタ知的財産部次長、
元日本電産知的財産部長の結束一男先生をお迎えします。
皆様からのご要望により、東京でも開催が決定致しました。
【大阪開催分】
・日時:12月20日(火) 13:00~17:00
(開場 12:30 懇親会 17:15~19:00)
・場所:常翔学園大阪センター(大阪市北区梅田)
http:// www.josho.ac.jp/osakacenter/
・対象者: 企業経営者、法務・知財部門長、法務・知財担当者
・会費:セミナー(無料)、懇親会(2000円)
・定員:40名(定員に達し次第受け付けを終了いたします)
プログラム詳細は、以下ご参照ください。
http://www.techno-producer.com/docs/111220-OSAKASEMINAR.pdf
【東京開催分】
・日時: 1月24日(火) 13:30?16:45
(開場 13:00)
・場所: 航空会館701会議室(港区新橋:地図は以下参照)
http://www.kokukaikan.com/tizu.htm/
・対象者: 企業経営者、法務・知財部門長、法務・知財担当者
・会費:セミナー(無料)
・定員:50名(定員に達し次第受け付けを終了いたします)
プログラム詳細は、以下ご参照ください。
http://www.techno-producer.com/docs/120124-TOKYOSEMINAR.pdf
今後も定期開催いたしますので、ご要望・ご意見も、ぜひお寄せ下さい。
★ 「中国が知財大国になる日」に備える日本企業の戦略
「中国と知財」というと模倣品、海賊版、不正品の中国国外への輸出等のイメージが
未だに強いが、最近では特許訴訟で日本を含む外国企業が中国企業に負け始めており
状況が変化しています。
中国をはじめ新興国の知財事情、それに対して日本企業がどのように行動していけば
よいかについて取り上げた講演会です。
・日時:2月8日(水)15:00~18:45
・場所:神奈川県産業技術センター
・内容:講演会 (15:00~17:00)、交流会(名刺交換会、17:15~18:45)
お申込み等詳細は、以下ご参照ください。
http://www.kanagawa-iri.go.jp/info/H23/20120208-kouryu/20120208-kouryu.html
★「先読み」と「バリューチェーン特許戦略」で10年先まで勝つ方法
本セミナーでは、携帯端末用通信モジュールで圧倒的なシェアと高収益を誇るクアルコムの
事例を中心に、長期間にわたり高収益を確保するために必要な戦略の立て方のほか、従来の
経営学のフレームワーク(3C、5Fなど)に知財戦略を組み込み、具体的な活動に落としこむ
ための考え方を紹介する。
また、知的財産を活用した「ビジネス・エコシステム」の創造、強化戦略についても、事例を
取り上げて説明する。
知財における戦略的活動とは具体的に何であるのか、事業企画段階で知財でいかに先手を打つか、
といったことにご興味をお持ちの方はぜひ。
・日時:2月8日(水) 13:30~17:00
・場所SSK セミナールーム(東京都港区西新橋2-6-2 友泉西新橋ビル4F)
詳細、お申し込みはこちら。
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_12010.html
★2012 ライフサイエンス知財フォーラム開催!
本年度のライフサイエンス知財フォーラムは、産学官連携の現状、および、日本発の創薬
イノベーション活性化のために取り組むべき課題、をテーマに開催されます。
・日時:2月10日(金)13:00~17:25
・場所:経団連会館 国際会議場
お申込み等詳細は、以下ご参照ください。
http://www.jpma.or.jp/event/information/120210.html
////////////////////////////
■企業活動における知財マネジメントの重要性―クローズドとオープンの観点から
〔研究会報告〕コンピュータ産業研究会 2009 年12月9日より
これからしばらく、皆様と一緒に、赤門マネジメント・レビュー9巻6号(2010年6月)に掲載され
ました題記講演録を、読み進めていきたい。
全文は、以下からDLできます。
http://www.gbrc.jp/journal/amr/AMR9-6.html
前回は、「オープン・クローズ」の考え方について取り上げた部分を読み、技術の改版権、がポイントで
あることを学んだ。
今回は、「3. ビジネスモデルと知的財産」の「(1) IBM の強いビジネスモデル」を読んでみたい。
ここでは、IBMのパテントポートフォリオマネジメントの事例を取り上げている。2.-(2)の内容の、具体的
事例となっている。
まずは、IBMが特許をどのように活用しているか、ということから始まる。超優良企業として知られるIBMで
あるが、1992年には営業利益率が-12%になるなど、苦しい時代を経験している。1993年に就任したガーズナー、
2002年に就任したパルミザーノは、いかにしてIBMを立て直したのか。
「ガーズナーを継いで、2002 年にCEO になったパルミザーノは、ダイナミックな選択と集中で、より大き
な利益を狙いました。彼は、事業の買収と売却、人材ポートフォリオ、知的財産の活用を積極的に取り入れ
たことで、営業利益率を15% (2007 年) にまで引き上げました。」
具体的に、知的財産の活用は業績の回復に、どう貢献したのか。
「IBM は1960 年から1990 年にかけて、主にクロスライセンス戦略をとってきました。しかし、1991 年から
は戦略を変え、米国登録件数16 年連続トップという実績をもとに、クロスライセンスと共にロイヤリティ収入
獲得にも集中するようになりました。」
IBMは、クロスライセンスから、積極的なライセンス活動(ロイヤリティ収入を得る)へとその知財戦略を変化
させ、それは、業績に確実に貢献しているのである。そして知財活動の業績への貢献度は、年々増大している。
「・・・ビジネスの拡大にも特許を活用し始めました。このような事実は、2006 年に10 億ドルの利益を
もたらしたIP ビジネスから確認できます。IP ビジネス(特許権を活用したビジネス) では、「AMD、
Chartered、Infineon、サムスン、ソニー、東芝などとの共同開発」で利益の36%を、「2000 件以上
の特許ライセンス収入」が利益の39%を、「特許譲渡、ノウハウライセンス収入などを含めた、売却
と移転」が利益の25%を稼いでいます。」
一方で、「技術分野別に7名のポートフォリオマネージャを置き」「4年ごとに権利維持か放棄かの
判断を行う」「8年後には半数は放棄されている」など、その管理もシビアに行なっている。
「特許提案は論文よりも評価が高い(2倍の表彰対象ポイント)」
も、見逃せないシステムである。よい提案がなければ、ライセンスに結びつくような特許は生まれないからである。
当たり前のことであるが、高業績の裏には、精緻なシステムと地道な活動があることが、ここにも見て取れる。
次回も、続きを読んでいきたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「Wake up! wake up! It's time to get up!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
▼周りの方に、ご紹介ください。コピー、転送大歓迎。
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
--------------------------------
■■■
■■ TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.89
■
配信数:約5900 配信実績:2008年8月19日より隔週発行
--------------------------------
■12月以降の関連イベント
●今回のトピック
・企業活動における知財マネジメントの重要性
★HP http://www.techno-producer.com/
--------------------------------
●「アイデアはいかに生まれるか」後藤 尚久
既に本メールマガジンでは、発想や発明に関する多くの本を紹介いたしまし
たが、手軽かつエッセンスが詰まっている本、ということで、本書を紹介いた
します。
「常識を疑うこと」
「人と異なったことをすることに、違和感を持たないこと」
利根川進氏の言葉から始まる本書は、ハウツーと言うよりは「心構え」を
説く部分が多い。
「天才が凡人と違うところは、全身全霊で仕事に打ち込み、生涯にわたって
高い生産性を維持すること・・・目標に向かって集中できるのが天才」
では、何かに集中するための秘訣は?
「他の一切を犠牲にすること」
だそうである。極めて明快である。
皆様も新年の目標は、ズバリ「XXXを捨てる」にされてはいかがでしょうか?
日本人は十分独創的になりうる、とする本書は今の日本の閉塞状況を打破する
ための処方箋でもある。
ぜひ、ご一読を。
--------------------------------
本メールマガジンは、エンジニアの方々、知財担当者、教育担当者の
方々にちょっとしたお役立ち情報を届けます。
・バックナンバー http://technoproducer.blog84.fc2.com/
お申し込みは、mail@techno-producer.comまで。
また、弊社の技術者向け知財教育カリキュラムの抜粋を、コラムにしております。
知財部で人材育成にあたられている方、技術者の方、若い部下をお持ちの方、ぜひ、
ご一読ください。
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
お知り合いの方、知財部門の方や技術者の方に、是非ご転送、ご紹介下さい!
お願いします!
★★★ 弊社主催「若手知財担当者向け知財戦略勉強会」開催 ★★★
弊社では、丸島儀一氏の「知的財産戦略」をテキストに、若手知財担当者が知財戦略に
ついて学ぶ「勉強会」を定期開催いたします。参加ご希望の方、ご興味お持ちの方は
以下までご連絡ください。折り返し担当から、詳細につき連絡いたします。
・連絡先 info@techno-producer.com 秋好(あきよし)まで
★★★ 弊社主催「知財教育相談会」~社員にいかにして知財に興味をもたせるか?開催 ★★★
企業の知財教育推進担当者を対象とした『知財教育相談会』を開催いたします。
敬遠されがちな知財教育について、いかに興味をもたせるか、効果を最大化する知財教育のポイント
について、具体的な成功事例を紹介いたします。
・12月22日(木)東京開催 「発明者向けの特許情報検索入門教材」、「知財教育の効果測定」
・1月13日(金)東京開催 「R&D人材を対象とした体系的知財教育カリキュラムの構築」、
「知財教育におけるEラーニング活用」
詳細、お申し込みはこちら。
http://www.techno-producer.com/docs/tpc_kyoikusodan_1111.pdf
///////12月以降の関連イベント情報///////
★弊社主催「経営に活かす知的財産」セミナー~大阪・東京で開催決定!
この度、大阪工業大学大学院知的財産研究科のご協力を戴き、表記セミナーを開催することと
なりました。
今回は講師として、元キャノン渉外センター長で現大阪工業大学知的財産学部学部長、
大阪工業大学大学院知的財産研究科長の田浪和生先生と、元ミノルタ知的財産部次長、
元日本電産知的財産部長の結束一男先生をお迎えします。
皆様からのご要望により、東京でも開催が決定致しました。
【大阪開催分】
・日時:12月20日(火) 13:00~17:00
(開場 12:30 懇親会 17:15~19:00)
・場所:常翔学園大阪センター(大阪市北区梅田)
http:// www.josho.ac.jp/osakacenter/
・対象者: 企業経営者、法務・知財部門長、法務・知財担当者
・会費:セミナー(無料)、懇親会(2000円)
・定員:40名(定員に達し次第受け付けを終了いたします)
プログラム詳細は、以下ご参照ください。
http://www.techno-producer.com/docs/111220-OSAKASEMINAR.pdf
【東京開催分】
・日時: 1月24日(火) 13:30?16:45
(開場 13:00)
・場所: 航空会館701会議室(港区新橋:地図は以下参照)
http://www.kokukaikan.com/tizu.htm/
・対象者: 企業経営者、法務・知財部門長、法務・知財担当者
・会費:セミナー(無料)
・定員:50名(定員に達し次第受け付けを終了いたします)
プログラム詳細は、以下ご参照ください。
http://www.techno-producer.com/docs/120124-TOKYOSEMINAR.pdf
今後も定期開催いたしますので、ご要望・ご意見も、ぜひお寄せ下さい。
★ 「中国が知財大国になる日」に備える日本企業の戦略
「中国と知財」というと模倣品、海賊版、不正品の中国国外への輸出等のイメージが
未だに強いが、最近では特許訴訟で日本を含む外国企業が中国企業に負け始めており
状況が変化しています。
中国をはじめ新興国の知財事情、それに対して日本企業がどのように行動していけば
よいかについて取り上げた講演会です。
・日時:2月8日(水)15:00~18:45
・場所:神奈川県産業技術センター
・内容:講演会 (15:00~17:00)、交流会(名刺交換会、17:15~18:45)
お申込み等詳細は、以下ご参照ください。
http://www.kanagawa-iri.go.jp/info/H23/20120208-kouryu/20120208-kouryu.html
★「先読み」と「バリューチェーン特許戦略」で10年先まで勝つ方法
本セミナーでは、携帯端末用通信モジュールで圧倒的なシェアと高収益を誇るクアルコムの
事例を中心に、長期間にわたり高収益を確保するために必要な戦略の立て方のほか、従来の
経営学のフレームワーク(3C、5Fなど)に知財戦略を組み込み、具体的な活動に落としこむ
ための考え方を紹介する。
また、知的財産を活用した「ビジネス・エコシステム」の創造、強化戦略についても、事例を
取り上げて説明する。
知財における戦略的活動とは具体的に何であるのか、事業企画段階で知財でいかに先手を打つか、
といったことにご興味をお持ちの方はぜひ。
・日時:2月8日(水) 13:30~17:00
・場所SSK セミナールーム(東京都港区西新橋2-6-2 友泉西新橋ビル4F)
詳細、お申し込みはこちら。
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_12010.html
★2012 ライフサイエンス知財フォーラム開催!
本年度のライフサイエンス知財フォーラムは、産学官連携の現状、および、日本発の創薬
イノベーション活性化のために取り組むべき課題、をテーマに開催されます。
・日時:2月10日(金)13:00~17:25
・場所:経団連会館 国際会議場
お申込み等詳細は、以下ご参照ください。
http://www.jpma.or.jp/event/information/120210.html
////////////////////////////
■企業活動における知財マネジメントの重要性―クローズドとオープンの観点から
〔研究会報告〕コンピュータ産業研究会 2009 年12月9日より
これからしばらく、皆様と一緒に、赤門マネジメント・レビュー9巻6号(2010年6月)に掲載され
ました題記講演録を、読み進めていきたい。
全文は、以下からDLできます。
http://www.gbrc.jp/journal/amr/AMR9-6.html
前回は、「オープン・クローズ」の考え方について取り上げた部分を読み、技術の改版権、がポイントで
あることを学んだ。
今回は、「3. ビジネスモデルと知的財産」の「(1) IBM の強いビジネスモデル」を読んでみたい。
ここでは、IBMのパテントポートフォリオマネジメントの事例を取り上げている。2.-(2)の内容の、具体的
事例となっている。
まずは、IBMが特許をどのように活用しているか、ということから始まる。超優良企業として知られるIBMで
あるが、1992年には営業利益率が-12%になるなど、苦しい時代を経験している。1993年に就任したガーズナー、
2002年に就任したパルミザーノは、いかにしてIBMを立て直したのか。
「ガーズナーを継いで、2002 年にCEO になったパルミザーノは、ダイナミックな選択と集中で、より大き
な利益を狙いました。彼は、事業の買収と売却、人材ポートフォリオ、知的財産の活用を積極的に取り入れ
たことで、営業利益率を15% (2007 年) にまで引き上げました。」
具体的に、知的財産の活用は業績の回復に、どう貢献したのか。
「IBM は1960 年から1990 年にかけて、主にクロスライセンス戦略をとってきました。しかし、1991 年から
は戦略を変え、米国登録件数16 年連続トップという実績をもとに、クロスライセンスと共にロイヤリティ収入
獲得にも集中するようになりました。」
IBMは、クロスライセンスから、積極的なライセンス活動(ロイヤリティ収入を得る)へとその知財戦略を変化
させ、それは、業績に確実に貢献しているのである。そして知財活動の業績への貢献度は、年々増大している。
「・・・ビジネスの拡大にも特許を活用し始めました。このような事実は、2006 年に10 億ドルの利益を
もたらしたIP ビジネスから確認できます。IP ビジネス(特許権を活用したビジネス) では、「AMD、
Chartered、Infineon、サムスン、ソニー、東芝などとの共同開発」で利益の36%を、「2000 件以上
の特許ライセンス収入」が利益の39%を、「特許譲渡、ノウハウライセンス収入などを含めた、売却
と移転」が利益の25%を稼いでいます。」
一方で、「技術分野別に7名のポートフォリオマネージャを置き」「4年ごとに権利維持か放棄かの
判断を行う」「8年後には半数は放棄されている」など、その管理もシビアに行なっている。
「特許提案は論文よりも評価が高い(2倍の表彰対象ポイント)」
も、見逃せないシステムである。よい提案がなければ、ライセンスに結びつくような特許は生まれないからである。
当たり前のことであるが、高業績の裏には、精緻なシステムと地道な活動があることが、ここにも見て取れる。
次回も、続きを読んでいきたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「Wake up! wake up! It's time to get up!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★コラム:ビジネスと知財
http://www.johokiko.co.jp/column/column_takahisa_kusuura.php
▼周りの方に、ご紹介ください。コピー、転送大歓迎。
▼メールアドレス変更、配信停止は、mail@techno-producer.comまで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スポンサーサイト